天文19(1550)年5月8~13日
5月8日。 次の日は如何しても寝坊になった。8時半頃朝食を摂って話し合う。
「(咲耶)嫌いな薬品を撒くとかは如何?」
「(美香)大して効果無いんじゃない。犬が居れば良いのだけど、部落の方ですら飼っていないし。それより、電気バリヤーなんて如何?」
「(優也)ヒグマはでかいし、毛皮が厚いから効果は限定的だろう。それと電力が無い。大型の発電機を買って夜中も運転するのか? 騒音で俺らが眠れないぜ。」
「(秀明)早く頑丈な家を作ることが必要だろうけど、其れ迄は決定打が無い。幸い、ヒグマを一撃で倒せる武器はあるから、4人で交代しながら寝ずの番をするしかない。」
「(咲耶)しょうがないかー。じゃさ、私ら女子は8時から夜中の1時迄寝る。男子は夜中の1時から朝の7時迄。」
「(優也)女子の方が寝る時間少なくないか? 5時間睡眠じゃ、体がもたんぜ。」
「(咲耶)大丈夫、朝食後、また寝るつもり。あるいは昼寝とか。」
「(秀明)それ位が妥当かな。俺、三郎の処へ行って、再開後の集合は朝8時にするよう伝えて来る。」
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5月9~11日。 それから3日程、周囲の探索をしたり、剣道の授業で習った事を思い出しながら太刀の素振りをしたり(素振りの速度に三郎が驚いていた。そりゃ一般人には鉄の塊の太刀は重いよね。)トランプなどのゲームをしたりして過ごした。女子会の方は木綿の布や裁縫道具を取り寄せて、チッカを交えて部落の女性達と服作りや染工房を開いたりしている。帆に使える丈夫な木綿布や同じくタフな糸も序でに買って貰った。後で船が完成したらサイズを合わせて縫って貰おう。
男子2人は、周囲の探索の途中で、史実通りの大量の砂鉄を発見した。10mを超える崖が柔らかい砂岩で出来ていて、砂鉄の層が砂利と一緒に縞模様になって積み重なっている。洪水の後、穏やかな流れが大部分の泥砂を流し去り、砂利と重い砂鉄が残る、またその上に洪水が起きて・・・・というのを繰り返した結果だろう。これで砂鉄を分別するだけで、コークスと石灰石があればすぐに製鉄できる。というか、どうせ高炉用の耐火煉瓦は購入する必要があるのだから、コークスも買えば良いか。当初だけは鉄というか金属自体も買わねばならないだろうが、何時までもそうしていては日本国としての産業振興にはならない。それでは神様から下された命題を達成することは出来ない。それと、専門的知識が無い人たちに唯命令だけするのでは拡張的な発展は見込めない。我々と接する少数の人間にしか正しい命令が伝わらないし、“何故/如何して” が無くしては真の理解に程遠い。なるべく早い時点で、学校を開かねばならないね。
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5月12日。 工事を再開する日になった。今回は、何時もの後家さんだけで残りの男5名は全員新人だった。穴に鉄筋を通すようにしながらコンクリブロックを設置していき、20cm位迄砂利セメントで埋めていく。また、ブロックの穴にも砂利セメントを入れ、棒で突いてスが出来ない様にする。夕方迄に1周敷き詰めて、今日の作業を終える。
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5月13日。 次の日からは、細い番線で括りつけながら太めの番線を鉄筋に交差するように留め、砂利の量を減らした砂セメントで隙間を接着しながら上にコンクリブロックを積む。むろん、コンクリブロックの中にもセメントを流し込む。




