表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/82

第一話「転生令嬢、チートと共に目覚める」

「ごきげんよう、皆様。リリアナ・フォン・エルフェルトですわ」


……と言いたいところですが、ちょっと待ってくださいませ!?

私、ただ優雅な令嬢ライフを送りたかっただけなんですのに、どうして筋肉チートスキルばかりが!?

これじゃ剣を振るう未来しか見えませんわ!!


そんなわけで、転生早々"予定外"な人生がスタートすることになりましたわ。

一体どうなってしまうのか、私自身もわかりませんけれど……皆様、どうか最後までお付き合いくださいませ!

──重い。


まるで泥の中に沈んでいるような感覚。身体が動かない。息が詰まる。


暗闇の中で意識がふわふわと浮遊するような感覚に襲われる。

思考もまとまらないまま、ぼんやりとした違和感だけが広がっていく。


だが、その違和感の正体がはっきりとわかった瞬間、私はある一つの事実を悟った。


──ああ、私、死んだんだな。


私は、ごく普通のOLだった。


新卒からブラック企業に勤め、朝から晩まで働き詰め。

仕事に追われ、気がつけば終電の時間。休日もろくに取れず、疲れ果ててベッドに倒れ込む日々。

夢や希望があったわけじゃないけど、何となく平凡に生きて、それなりに老後を迎えるものだと思っていた。


……だが、ある日、トラック事故に巻き込まれた。


会社帰り、いつものようにコンビニで夜食を買おうとしたところ、突っ込んできた大型トラック。

その瞬間、私の視界は真っ白になった。


痛みを感じる暇すらなかった。

……気づけば、こうして何もない暗闇の中にいる。


「……異世界転生?」


最近流行りの小説や漫画みたいな展開だ。

まさか自分がそんな目に遭うとは思わなかったが、この暗闇に包まれた状態が、いわゆる『転生待機状態』なのかもしれない。


もし本当に異世界転生できるなら……今度こそ、優雅に生きたい。


華やかな社交界、ふわふわのドレス、甘い紅茶。

優雅で穏やかな生活を送りながら、日々を楽しむ──そんな人生も悪くない。


そう、貴族の令嬢みたいに──


──その瞬間、私の脳内に響き渡る声。


《適性スキルの割り振りを開始します》


「……え?」


突如として、目の前に無数の光の粒が浮かび上がった。

それぞれがまるで意志を持つかのように、私の周囲を漂いながら、次々と情報を叩き込んでくる。


《ユニークスキル【剣聖】獲得》

《ユニークスキル【武神】獲得》

《ユニークスキル【超回復】獲得》

《ユニークスキル【魔導の極意】獲得》

《ユニークスキル【戦乙女の咆哮】獲得》


「……ちょっと待って?」


次々と追加されていくスキルを眺めながら、私はある異変に気づく。


……戦闘スキルばっかりじゃない?


「えっ、あの……淑女の嗜みとか、優雅な歩き方とか、そういうのは?」


ふわふわのドレスを着て、穏やかに過ごす未来を思い描いていたのに、どうして**【武神】**とかいう物騒なスキルがあるの!?


「ちょ、ちょっと待って!これは間違いでは!?ねえ!?」


悲痛な叫びも虚しく、光の粒たちはさらに情報を投げつけてくる。


《パッシブスキル【経験値獲得量10倍】獲得》

《パッシブスキル【肉体強化Lv.MAX】獲得》

《パッシブスキル【俊敏強化Lv.MAX】獲得》


……やばい。


令嬢どころか、これじゃ完全に戦闘用の化け物じゃない!


「ねえ!私、ただ優雅に暮らしたいだけなの!なんでこんな筋肉チートスキルばかりが……!?」


だが、私の声は無情にも無視された。


──そして、次の瞬間、私の意識は暗闇へと溶けていく。


──気がつくと、私は柔らかな布団の上にいた。


目を開けると、天井には美しい金細工が施されたシャンデリア。

横を見れば、豪華な刺繍の入った天蓋付きのベッド。


「……えっ、ここ、お城?」


いや、違う。

よく見ると、壁には細やかな装飾が施され、家具も全てが高級品。

だが、お城というよりも、これは貴族の館だ。


すると、その瞬間──ガチャリ、と扉が開く音がした。


「お嬢様!ご気分はいかがですか!?」


勢いよく入ってきたのは、一人のメイドだった。

薄茶色の髪をすっきりとまとめた、清楚な雰囲気の女性。

まだ若く、私より少し年上に見える。


「お嬢様?」


「あ、えっと……」


私は口を開きかけて、ふと気づいた。


──私は転生した。


そして、この身体の持ち主は……


「リリアナ・フォン・エルフェルト」


王国に名を轟かせる公爵家の令嬢。

……だが、転生時に貰ったスキルは、貴族の令嬢とは無縁の戦闘特化ばかりだった。


「お嬢様、大丈夫ですか?具合でも悪いのですか?」


メイドの心配そうな声を聞きながら、私は改めて深く考える。


──これ、本当に貴族令嬢の人生、送れるの……?

「最後まで読んでくださり、ありがとうございますわ!」


異世界転生、貴族の館、優雅な生活……そこまではよかったんですのに……!

スキルの内容がひどいですわ!!

私、戦うつもりなんてなかったのに、なぜかゴリゴリの戦闘特化になっていましたの……。


これは、もしかすると……これからの人生、とんでもない方向に進むのでは?!

いえ、まだ希望はありますわ!

どうにかして"普通の貴族令嬢"として生き抜いてみせますわ!!


……というわけで、続きが気になる方はぜひブックマークをお願いしますわ!

それでは、次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★ 面白かったら応援を! ★

『転生令嬢、淑女の嗜みよりも筋肉と剣を極めます』
〜チートレベルアップで最強貴族令嬢になった件〜

面白かったら、★★★★★評価をお願いします!
ブックマークで続きをお楽しみに!


あなたの応援が、物語を加速させます!
コメントやレビューも大歓迎です!

カクヨム版はこちらから!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ