最強の貴族令嬢、華麗に戦場に降り立つ。
「ごきげんよう、皆様。リリアナ・フォン・エルフェルトですわ」
貴族令嬢として、優雅な人生を送りたい──そんな夢を抱いていたのですけれど……
あら?なぜか剣を握らされ、魔獣を両断している展開から始まるというのはどういうことでしょうか?
……まぁ、細かいことはさておき、皆様に一つだけお約束いたしますわ。
私、リリアナ・フォン・エルフェルトは、決して負けません!
どうか、この"最強令嬢"が歩む道を最後まで見届けてくださいませ。
それでは──物語の幕開けですわ!
戦場は既に地獄と化していた。
火の手が上がり、辺りからは悲鳴が響く。
「くそっ……! もう持たねぇ!」
「援軍は……? くそっ、王都の貴族どもめ……!」
王国の最精鋭部隊が、たった一体の魔獣に蹂躙されている。
その魔獣は──【ドラゴニック・ハイドラ】。
王国最強のSランク冒険者ですら討伐を諦めた怪物。
絶望が広がる中、空気を裂くような澄んだ声が響いた。
「──少々遅くなりましたわね」
兵士たちが振り返る。
そこに立っていたのは、一人の貴族令嬢だった。
まるで舞踏会に向かうかのように、純白のドレスを纏った少女。
華奢な体躯、美しい金色の瞳。
「な、なんでこんなところに公爵令嬢が……!」
「バカな……逃げろ……!」
「逃げろ?もしかしてそれは私に言っていますの?」
次の瞬間、少女の姿が消えた。
──ゴォォォォォン!!
閃光が走る。
鋼の鱗を持つハイドラの首が、一瞬で九つとも刎ねられた。
戦場が静寂に包まれる。
「スキル発動【剣聖の極致】──おかわいそうに。せめて苦しまずに送って差し上げますわ」
白銀の髪をなびかせ、リリアナはため息交じりに剣を構えた。
「──【魔剣・斬界】」
その瞬間、ドラゴニック・ハイドラの巨体が、無音で裂けた。
まるで、そこには何も存在しなかったかのように、血の雨だけが降り注ぐ。
王国最強の精鋭部隊が倒せなかった怪物を、
たった一人の貴族令嬢が、一瞬で葬り去ったのだ。
「…………嘘、だろ……?」
戦場の誰もが、言葉を失っていた。
リリアナは静かに剣を収めると、
燃え盛る戦場を一瞥しながら、微笑んだ。
「さて──紅茶でもいただきたい気分ですわね」
──これは私が、最強令嬢となるまでの物語……ですわ!
「ご覧いただきありがとうございますわ!」
ふぅ……戦場での戦いは済ませましたし、紅茶でもいただきたい気分ですわね。
……ですが、まだまだ私の物語は始まったばかり!
最強への道、自由への道──
どちらも険しくとも、私、決して後悔はいたしませんわ!
ですので皆様、ぜひブックマークと評価をお願いいたしますわ!あとイイネも忘れずに、ですわ!
それでは、ごきげんよう!