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ぴーすふる  作者: 金山トーツカ
Prologue: Begin the new world.
1/2

000『始原』

『平和』

①争いなどがなく、おだやかなこと。

②争いなどをこのまないようす。

ー三省堂『三省堂国語辞典』第八版、2022年、1376頁より引用。


これが、平和の定義である。

…未だかつて、達成されたことは無かった夢物語だが。


今日も、戦火は絶えない。

地球のどこかしこで、互いに殺し殺される日々を過ごす者どもがいる。

血と、硝煙と銃声が溢れる世界。

そんな気の狂いそうな残虐の境地に。


しかし元来、平和を願わないものなどいないだろう。

それは、戦争の理由が大概「自身の平和が脅かされたから」であることからも容易に察せれる。

それならば、なぜこの世が平和な世界になどならないのか。


それは単純明快(シンプル)な話である。


人類が愚かだからである。

人類はものを忘れるからである。

歴史は繰り返されるものだからである。


それでは、ここで一つ問おう。

ー『平和な』世界の達成は可能ではあるのだろうか。

解:可能である。

ここに一つの実例を示そうではないか。

これは、『平和な』世界を治めたとある少年少女の御伽話。


この御伽が真実であるか。

信じるかどうかはあなた次第。


◆◆◆


かつて、人類という世界を支配した種族がいた。

彼らは最も恵まれた種族だった。

しかし、妬みや憎しみという悪魔に身を任せ、自身で自身を滅ぼした哀れな種族となってしまった。

とある日のことだった。

大国同士で戦争が始まった。

一度、火蓋が切られればそれまでで、あとは時間の問題であった。

血で血を洗う戦争を繰り返した結果残ったのは生物なき荒野であった。


…かのように思えた。


いたのだ。たった十七の生き残りが。


戦争後、その死に損いたちはこう言った。


「これから造る子には戦争をさせないようにしよう。」


そうして、この世から、争いは無くなった。


彼らが造った《十七種族(セプテンデキム)》は一つ目の意味での平和を守り続けた。


…もう一つの意味では?


十七種族(セプテンデキム)》は、種族ごとに互いに憎み、恨みを募らせる一方であった。

不満があったとしてもそれを直接発する術がなかったからだ。


原始の生き残り達は、もう一度会議を行った。


「双方が不毛では無く、尚且つ平等であると認めた時のみ、争いを認めよう。」


と。世界は、再度争いにまみれた。


争いの後、残された荒廃の風景は《十七種族(セプテンデキム)》にこう悟らせるに至った。


ー嗚呼、無駄だった。


と。その学びは彼らに不戦を保たせることとなった。

不侵攻、不干渉、無関与。それを互いに守ることによって世は再び平和となた。


しかし、その平和が再度崩されそうになっていた。


ーとある人間の手によって。


そこで、その世界を救うため三人の者が過去から召喚されることとなった。


◆◆◆


No.1:音子の場合


「目覚めよ、音子。お前は今、神の御前にいるのだ。」


彼女が目を覚ますと、そこには何もなかった。

…なにもないというのは過言かもしれない。

実際にそこには地面があり、空もあった。

何かしらの建物も存在した。

しかし、音子にはそれを知覚することができなかった。


「ここはどこです?」


音子が見えない声に問う。

その声は決して大きくはないはずなのに、空間の中で幾重にも響き渡る。


「神界だ。お前はそこに座れ。」

「はい。」


音子が座ろうとすると、虚空から椅子が現れた。

その椅子は、彼女が座った瞬間に大きさ、色、形、座り心地。

すべてが彼女に合うように変化した。


「あの…」

「この中から好きな物を選べ。」


音子の疑問は、その声によって遮られた。

と、共に彼女の目前にポップアップウィンドウのようなものが現れる。

そこには、様々な能力の名と、その内容、手に入れるための代償が描かれていた。


改竄者(アルタレーター)》:自身を中心とした半径5m球内の物体を好きに動かせる能力

代償:生前最も大切だった者の具体的記億

解析者(アナリスト)》:相手の能力を図り、五秒間だけ封印する能力

代償:前世の識字能力

宇宙旅行者(アストロノーツ)》:自身を中心とした半径5mの重力を無くす能力

代償:歩行能力

…などなど


一通り見渡すと、音子は前世、自分が最も尊敬した人が選びそうな能力を選んだ。


ーその代償を除けばの話だが。


黒幕(フィクサー)》:一度見た能力を指定した時間後に再現する能力

代償:生殖機能


「それじゃ、これで。」

「お前は、この代償を受け入れるか?」

「はい。」

「承知した。」


次の瞬間、音子は気絶していた。

そして、次に目を覚ますと、彼女は自身がベッドの上で寝ていることに気づいた。


◆◆◆


No.2:聖那の場合


「目覚めなさい、聖那。貴方は、今、神の御前にいるのですよ。」


穏やかでかつ荘厳な声が聖那に呼びかける。

彼が目を覚ますと、そこには今まで見たことのないような景色が広がっていた。


雲のような柔らかい触感の白い床。

これが四方平面、凹凸なく地平線までつながっている。

目の前に映るのは大きな純白の神殿。

神殿の内部へとつながる通路と階段は、神とそれ以外とをはっきりと分けているようだった。

そこにポツンと置かれていた、何に使うのかもよく分からないようなタブレットは神殿の景観自体は損ねないものの、確かな異様さを放っていた。


「あー?人と話すときはまず顔を見て話せって学校で教わらなかったか?表に出ろよ、このクソ野郎。」


状況も分からないので、とりあえず聖那は自身を呼び掛けた何者かを挑発して情報を得ようとする。


「すみません、何分このようなことは不得手でございまして。」


ーちっ、無駄か。


心の中で舌打ちをする聖那。


「それより、話をしたいのですがよろしいでしょうか?」


神殿内から声が語り掛け続ける。


「おーけー、だが、その前に名前だけでも教えてくれないか?」


ーここで、できるだけ情報を得ておきたい。

そう考える聖那。


「イワスヒメです。」


しかし、イワスヒメと答えた何者かは介することなくさらに話を続ける。


「貴方には滅びゆくこの世界を救ってもらいます。貴方の目の前にあるタブレットから好きな能力を選んでください。それを授けましょう。」


タブレットに近づく聖那。そこにはおびただしい量の異能力とその説明が書かれていた。

聖那は読む気にもならなかった。

ー知らない誰かさんのために命を張るなんて馬鹿なことができるか。


「世界を救うことに対する俺の利点は?」

「貴方が死なないで済みます。」


極めて端的だった。

しかし、自身の命が関わってくるなら話は違う。

聖那は、最適解を探すことにした。

そして、散々悩んだ結果、17時間後…


「カミサマのおすすめは?」

「リストの一番上のやつですね。兎に角強いですよ。」


…有識者に聞くのが一番早いことに気が付いた。


「では、能力を選んだようですので、転移させます。」


イワスヒメの宣言とともに、聖那の辺りに白い光で魔法陣が描かれる。

その次の瞬間。

気づけば、聖那は、ベッドの上で寝ていた。


ー《改竄者(アルタレーター)》、その代償をしることなく。


◆◆◆


No.3:黎の場合


「▪️▪️▪️▪️▪️」

「▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️」

「▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️」

「▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️▪️」

「▪️▪️▪️▪️▪️」.........


◆◆◆


…こうして、三者はとある世界に転生することに成功した。』

それが、この物語の始まりである。


出来れば、星orブクマつけてくれたらトーツカがむせび泣きます。

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