第三十一話 彼女の名前は”幽閉”
- 第三十一話 彼女の名前は”幽閉” -
俺と色夏が出せる最大限の力を使用した俺達は異常な強さを誇る謎の美少女と相手の方が不利な条件で戦うことになっていた。
「とっとと終わらせますよ。色夏」
「言われなくても分かってるわ!」
先程までボコボコにされていた人とは思えない強気な口調を目の当たりにした美少女は怒りと共に俺達の方を見てきた。
観客席みたいな所にいる俺でも分かる。
「それが全力だとしても、まだ私には遠く及ばない。
どれだけ努力しようと壁は壁なのよ。
私に勝てると思ってる時点で負け」
「ですが、貴女のような自分がTOPと思ってるような人はそれ以降何も努力しない方です。つまり、貴女は必ず抜かされるでしょう」
「うるさいなぁ…。頂点は限りなく1つなのよ!」
美少女は怒りのままにとんでもないスピードで俺に攻撃を仕掛けてくる。
俺なら避けれ無かっただろうが、ストレイターは違う。
数ある無数の選択肢から1番を一瞬で見つけ出し行動出来るのだ。
「そんな単純な攻撃では当てれませんよ」
流石がストレイターさんだ。
あの短時間で見事に打開策を見つけ出し軽々と回避してる。
時既にストレイターは回し蹴りを当てようとしていた。
「ッ!」
やはりダメだ、反応速度が速すぎて当たらなかった。
美少女は空中で不自然な軌道がえ共に宙へと舞い上がる。
それを無言で見つめる俺。
「やっぱりストレイターは厄介ね。先に潰さないと…」
「殲滅火炎砲!」
「まさか!?」
美少女が後ろを振り返ると、黒く染まった炎の弾幕が降り注ぐ。
これを見た時、俺は鼻で笑った。
色夏が後ろから攻撃しようとしていることを読んでいたかのような都合の良すぎる展開。
恐らくあの美少女の攻撃の時から既にこの展開を読んでいたのだろう。
美少女は”殺さない”という不利な条件で戦った為、全力で抵抗する事は出来ない。
この条件も踏まえた上での結果だろう。
美少女は無数に降り注ぐ弾幕を数十発喰らって地面へ落下した。
「いててて…。今のは結構痛かったよ」
地面に落下して10秒も経たずに起き上がる美少女。
色夏の限界突破により進化した彼女の攻撃はどう表したら良いか分からないほどの威力なのに、美少女は直ぐに立ち上がり少しの傷が着いているだけだった。
「予想外、そこまでの耐久性があるとは思いませんでした」
「何言ってるのかな!」
美少女はその場で魔力弾を放って来た。
勿論、ストレイターさんは全回避。
痺れを切らしたストレイターさんはどうやらご機嫌斜めのようで…
「(全力であの少女に攻撃しても良いのですか?)」
あ、ああ良いけど、何する気?
俺すっごく嫌な予感しかしないんだけど。
「(大丈夫です、死にはしない…と思います)」
思いますじゃねぇよ!
でもまぁ、勝つ為ならしょうが無いか。
ここで死なないとはいえダメージを置いすぎたらファーストとの戦いで負担が掛かる。
やっちゃってくださいストレイターさん。
「(任せてください。管理者)」
「おやおや?全然攻撃してこないけどどうしたの?
もしかして勝てなくて絶望しちゃった?
それもそうか!あの子の全力でこの程度だもんね〜」
「絶望なんてする訳無いでしょう。一時的に時間を稼いでください。色夏」
ストレイターはこの超限空間にある影の中に入り身を潜めた。
「え、ちょ!でも…ストレイターが言うならやってあげるわ」
「何企んでるか分からないけど、無駄な足掻きって感じかしら」
美少女は色夏を睨みつけた。
その威圧に本気を出している色夏は少し体が痺れたがそんな事言ってられない。
空中から美少女の方に向かって急降下を始める。
その時、もう一度殲滅火炎砲を使用して弾幕を降り注がせる。
「2度は喰らわないよ」
美少女はその弾幕を綺麗に全てを回避した。
そして攻撃を仕掛けようとしたその時…
「油断は禁物って言葉知らないのかしら?」
「油断は禁物って…もしかして貴女!」
「時間操作、私の弾幕を巻き戻すわ」
色夏の時間操作により、弾幕のみが巻き戻しを受ける。
後ろからは色夏に向けて帰ってくる無数のバラバラの位置にある弾幕。
だが、1度避ければ同じ避け方を逆バージョンでやるだけ。
と思ったその時、軌道が1点に纏まったのだ。
「ッ!軌道変化!?」
「まだまだよ?速度変換」
軌道を操り1点に纏とめたのは色夏。
それに加え速度変換が加えられ、1点に纏まった弾幕は有り得ない速度で弾幕は迫り来る。
これでは避けるのが少し困難になる。
「っ!でも威力は変わらない!受けきってあげるわ!」
「威力操作 貴女でも耐えられない程のダメージに変更済みです」
受け切ろうとしている美少女に対して影から現れた俺さんが軽いお知らせのようなものを知らせていた。
「威力操作まで…これじゃまずい…!!消失!」
消滅魔法!?あんな魔法持ってたのかよ…。
あれじゃ弾幕が掻き消されてしまう。
ここまで来たのに…。
消滅魔法はどんな魔法よりも貴重な魔法であり、神も持ってる人が少ないとだとか。
美少女はそれを平気で使いこなしかき消そうとした時。
「あれ…?消失が使えない!?」
「私も…なんだか力が出なくなってきてるわ」
何が起きてるんだ?美少女に限らず色夏まで力が失ってるように見える。
いや違う、これは封印だ。
でもこんな高度な魔法誰が…
「管理者に内緒で作成した。封印系魔法 封印結界です。私とあの弾幕以外の結界内にいる全てを封印させました」
おいおい!?俺に内緒で何作ってるの!?
そんな神も持てないと言われた貴重な封印魔法どこで手に入れたんだよ…。
「封印魔法!? そんなものを隠し持ってたなんて…。ッッ!」
「チェックメイトです」
封印によって何も出来なくなった美少女は色夏とストレイターの操作魔法よって作られた高威力 高スピード の弾幕は美少女を容赦なく痛めつけた。
こりゃあ死んでますな。
ストレイターそろそろ良いぞ…って
俺は衝撃を受けたまだ追撃をしようとしていることに。
やめろ!もう終わったんだろ!?
「(いえ、まだ少しの意識と高密度の魔力を感じましたので、完全に封印します)」
おい待て!戻れって!
俺の言葉はストレイターに届かなかった。
見ているしかないのだ。
「万物をも封印する冥界の神よ、1度私の力となり、少女を完全封印せよ。
獄門・密封」
嘘だろ…最上位封印系魔法使えんの…?
最上位封印系魔法は1番高みであり、世界にも影響する神をも恐れる最強かつ最恐の魔法。
そんな魔法が美少女を襲う。
彼女の周りには黒い魔法陣が何重にも描かれ、上からは御札のようなものが円を描いて回っている。
その回転している御札は回転速度が上昇し残像が見える程に速くなっていた。
そして、その御札が美少女を捉えようとした瞬間超ボロボロの彼女が此方を強烈な殺意と共に見てきた。
その瞬間…魔法陣が崩れたのだ、獄門・密封が無力化されたということだ。
「無力化…!直ちに対処を…」
「うるさい…」
ストレイターもまさか最上位封印魔法を破られるとは思っておらずびっくりしたようだ。
いや、破壊できたということは封印結界の影響も無力化されたんだ。
それでストレイターは驚いたのだろう。
美少女は怒りの声で言葉を放つと辺り中が爆発し砂煙や欠片などが2人を襲う。
やがて超限空間そのものが維持出来ずに崩壊、本来の学院に戻されたと同時に砂煙が晴れ、底には不機嫌な美少女が立って居た。
「まさか超限空間も破壊するとは…」
「君らの強さは十分分かったわ、こんなに不愉快になったのは久々よ。今日の所は帰るわ。トゥアセルド」
「はっ!ここに」
「そっちはどう?」
「それが…私、方向音痴という事を忘れていて…道に迷い、会議室まで辿り着けなかったのです。大変申し訳ありません」
「そう…努力を感じられたからそれでいいわ。あとはあの二人に任せる」
この感じ…終わったのか?
「(相手がバトルを終了した為、完全自動を終了します)」
おぉ、戻った。
俺とストレイターの位置は逆になり本来の俺に戻った。
てかあのトゥアセルドってやつ、方向音痴なんかい!
そして、トゥアセルドと美少女の話が終わったのか、此方を見つめて来ては振り返り、ポータルのようなものを出現させていた。
そこに向かって無言で歩く2人、俺はどうしても気になったことがあった。
「待て!君の名前を知りたい」
「……」
俺の言葉を聞くと横顔になって此方を見つめてきた。
俺まずい事を聞いたか?全然答えてくれないんだが…。
「幽閉…また貴方と出会う事にある人よ」
その言葉を聞いた時、俺の中のストレイターが痺れるように反応し連鎖して俺も体が痺れた。
知っているのか?あの子?
<知らない方が身の為でしょう>
めっちゃ怖い事言うじゃねぇか。
でも、ストレイターがそんなこと言うなんて珍しいな。
そう思ってる内にこの場を去ってしまった幽閉となる人とトゥアセルド。
まだ色々聞きたかったのに…。
それより、幽閉って名前なんか引っかかるんだよな…。
まぁいいか、それよりファーストとかいう奴の元に行かなきゃならねぇな。
「色夏、行けるか?」
「え、えぇ」
色夏は封印結界により通常の色夏へと戻されていた。
もう影響は無いが、通常でやるとなると大変になるな。
俺はそんなことを思いながら廊下を歩き出した。
案外掛かると思ったのだが、ストレイターさんのお陰で1分で着いた。
やっぱり凄いなストレイターさん。
<フッ>
なんか鼻で笑ってた気がするんすけど…。
でもここが”元凶”(ファースト)のいる場所。
俺と色夏はお互いの目を見て力強くドアを蹴り飛ばした。
大きな音が鳴ったので勿論皆はドアの方向を見た。
「俺は式破支配、”元凶”(ファースト)を倒しに来た!」
「もうおしまいよ!貴方達!」
と、大きな声で威嚇する俺と色夏。
1番視界のはいる所にいる周りとは違うオーラ。
彼奴がファーストやっぱり見た目が色々おかしい。
ファーストは此方を見ると殺意の目をしていた
「………チッ」
無言の中ファーストからの舌打ちをする。
俺はここで勝たなきゃならない。
ここで勝って色々聞き出してやる!
───いざ、決戦───




