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第二十九話 謎の美少女 動く

- 第二十九話 謎の美少女 動く -

「私の目的は───式破達が言う”元凶”の抹殺なのです。目的と言うよりは…命令なのですがね。

たかが自分自身の姿が無い存在でいい気分になっているのがあの方は相当気に食わないようで直接やるのもつまらないとの事で私が……」


「「な、な、なんだってーーー!?」」


敵かと思いきやまさかの同じ目的の存在。

俺と色夏は思わず声に出すほど驚いてしまった。

こんな強敵がもしかしたら一時味方になるのは凄い心強いが、本当に信用していいのかと聞こうとする前にトゥアセルドが先に口を開く。


「どうです?私と一時的に仲間…になりませんか?貴方ら2人からしたらとても心強いでしょう?」


やはり仲間になろうと提案を持ち掛けてきた。

この選択で何が起こるか分からない。

それに、トゥアセルドから何か殺気のようなものを感じる。


「すまねぇがその提案には乗らない。いきなり会って仲間になろうなんて信用度が薄すぎる」


「そうね、式破の言う通りだわ。貴方だっていきなり言われても信用ならないでしょ?それと同じよ」


俺は断る選択をした。

その意見は色夏も同意見で、俺の後に続けて口を開いていた。

その言葉を聞くとトゥアセルドは残念そうな顔をしながら口を開こうとした時、色夏では無い女性の声がこの無音の場所から鳴り響く。

その声は学院に行く前に聞いた笑い声と同じ。

そして足音がどんどん此方へと迫って来る。

この瞬間、今までに感じた事が無い、元凶(ファースト)よりもトゥアセルドよりも遥かに高い魔力と安定した威圧。

この高い魔力だけで俺は全身が金縛りになったかのように動けなくなった。

勿論、色夏も同様にフリーズ中だ。

そして、唐突に視界が急激に悪くなる。

俺の目や色夏の目なら影響を受けずに居られるのに、今回だけは何故か視界が悪くなった。

目の内側から視界を悪くされてるかのような気分だ。

そして、この視界の悪さの中から足音は何処かで停止する。


「おや、来ていたのですか。我が姫」


「ちょっと!その呼び方やめて。式破も居るのに何か恥ずかしい」


「それは失礼しました。それより、良いのですか?あの二人に貴方を見せなくても」


なんなんだ?さっきから2人は何を言っているのか、俺には理解出来ない。

トゥアセルドはこの視界への影響を受けてないのか?

ストレイターが居ない今、自身での解析は相当の時間を掛けなければ理解が追いつかない。

これは、俺の弱点でもあったのだ。

ストレイターが使用出来無くなれば俺は相当弱体化される。

わざわざこんな事をするという事は、俺に何かしようとしているのかもしれない。


「そうだな〜。特別に見せてあげようか」


「流石我が……ん”ん”」


トゥアセルドでは無い人が俺達に手を翳している。

その手は拳になるように変形した瞬間、俺達の失っていた視界がどんどんと元に戻って行く。

やがて視界が元通りになると俺達は話していた方向を見る。

そこにはトゥアセルドとその横に女性が立っていた。

女性はボブ髪の明るい黄色髪にキラキラとした赤い瞳、そしてお色気のある服装。

そして1番に思ったのが……


「めちゃくちゃ可愛い!?」


「ちょ、ちょっと式破!?」


物凄く美少女に見える。

これに勝る顔の人がもう居ないんじゃ無いかって程に美少女。

思わず口に出してしまった。

それに驚いた色夏は嫉妬混ざりで俺の名前を呼んできた。

その言葉を聞いた謎の美少女は笑い、トゥアセルド物凄く共感してるかのように頷いていた。


「貴方とは気が合いそうですね式破。我がヒ……この方はこんなにも美しくそして神のような方なのです!!」


「ちょっと張り切り過ぎよ。それに、式破からも言われるとは計算外」


トゥアセルドは引く程に謎の美少女を語ってきた。

共感者が居たのは嬉しいが、正直めっちゃ裂けたい。

それに、謎の美少女は俺の事をよく知ってるような言い方をしているのが気になる。


「なぁそこの君、俺の事を良く知ってるような……」


「ぺったんこじゃない……」


「色夏!?それ言うたらアカン!」


俺が質問をしようとした時、色夏が謎の美少女の何処かとは言わないがぺったんこと何か悪い意味言ってしまったのだ。

俺は恐る恐る謎の美少女を見てみると、物凄い殺気と威圧を出していた。

それはそうですよね、トゥアセルドも何か怒ってるし。


「そこの女、今なんて言ったの?」


「この御方を侮辱するような発言……死に値します」


物凄いキレてるのを見た俺は何とかこの状況を何とかしないと行けない。

こんな時にストレイターが居たら……苦労も何も無かったんだろうな。


<失礼、管理者。ちょうど今、超限空間の突破に成功したのでご報告に>


本当ストレイターは良い所に来るよな。

ジャンストタイミング過ぎて逆に怖くなってくるよ。


<当たり前、私は貴方の根源なのですから>


その強気な言い方は少し気に食わないけどな。

それより、この状況を理解してるのか?


<既に把握済みです、あの謎の美少女に色夏が……>


分かってるならいいです。

ここままじゃ絶対に大変な事になるのは分かるんだが、この状況を治める為には何したらいいんだ?


<検索中です。

検索結果、言葉による解決が1番早いと思います>


言葉による解決……。

分かった、やってみるよ。

俺はこの沈黙した中で行動に出ることにした。


「ねぇ聞いてるんだけど、何て言ったの?」


「何度でも言ってあげるわ!ぺっ……」


俺はまた言いそうになった女なのに女を理解していない色夏の口を塞いだ。

そのまま俺は説得に入る。


「落ち着いて話そう。そこの美少女にアウトな発言をした事は俺から謝る。

恐らく、俺が可愛いって言ったからその嫉妬なんだと思う。今後は教育しときますからどうかお許しください」


色夏は物凄い暴れているが、絶対に離さない。

何するかも分からないのに離したらダメな気がすると直感で思った。


「まぁ、そこまで言うなら見逃してあげるわ」


「貴方とは1度共感した者同士、そのお礼みたいな感じで許しましょう」


何とかこの場を何とか出来た。

安心した俺は色夏の口を塞いでいた手を離す。

だが、状況を察したのかちょっと不機嫌に終わった。

ようやく質問ができる。


「それで、何の用だ?」


「そうそう、すっかり忘れていたわ。ただ簡単な話よ私は今の貴方達の実力を見に来たのよ。

やりたい事は1つ、私と戦わない?」


嘘だろ、こんな見た目は美少女、強さはバケモンの人と戦うって、俺死ぬんじゃね?

これは断らないと……


「良いわよ!私の方が偉いって証明してあげるわ!」


何してるのかな色夏は!

これはまずいぞ、絶対あの美少女さん。

俺は謎の美少女を見ると、めっちゃやる気満々になっていた。

ですよね、あんなこと言われたら黙ってないもんね。


「もうやる気かよ、まぁやるしかねぇな」


「じゃあ決まりね。あっそうだ、一応言うけど貴方達は倒す気で来てもいいけど、私は何があろうと貴方達を殺さ無い事を約束するわ」


俺はその言葉にホッとした。

死なないなら心置き無くやれる。


「では、私はこの超限空間を1度解除しますね。そして、ファーストを始末してきます」


「いや、超限空間は大丈夫だ。俺が使える」


「おや?貴方にそんな力があるとは驚きです」


使えるって言うより、ストレイターが突破してくる時に超限空間の複製してるんだけどね。

俺は超限空間を利用し地形変形を応用しこの学院の廊下を闘技場のように変形させる。


「これでいいだろ?」


「やっぱり式破は別格ね。トゥアセルドはファーストを抹殺よ」


「仰せのままのに」


俺が超限空間内で地形を変えたらトゥアセルドはこの場から去っていった。同じ超限空間の持ち主だから影響無く出れるのだろう。

と言うよりファーストの抹殺って……。

あれ俺の目的彼奴に終了させられるんじゃね?


<その可能性が1番高いです>


ダメダメ!

ファーストに聞きたい事も山ほどある……となると、この美少女との手合わせを早く終わらせてトゥアセルドを止めないと。

やるしかない。


「じゃ、始めましょうか。いつでも良いわよ」


相手は相当余裕そうに見える。やるなら全力でやる。

俺と色夏は同時に地面を蹴り飛ばし謎の美少女に立ち向かう。



*

その頃、会議室はと言うと。

ようやく人が集まって会議が開かれていた。

会議内容は 式破支配の今後とラグエルの死と上層部からの連絡らしい。

上層部とはトゥアセルドとかの人の事なんだろう。


「皆よ日付が急に変わったのにも関わらずよくぞ集まった。その事には礼を言うぞ」


最初に喋り始めたのは”元凶”ファーストだった。

人数はファースト含め7人椅子の数的に10人居るように見えるが、ラグエルとショウザンとミラディアの席だろう。


「改めて主席を取る。

踊りの神 ダラク

破壊の神 カタリナ

即死の神 インスダフト

時間の神 アスリー

概念の神 セフト

生存の神 ソウル

そして、真実の神 原初事、ファースト」


神だらけの会議、神の会議(ゴットディメイション)とも言うらしい。

でもなんか皆仲が悪そうにしていて。

と言うより、操られてるみたいな動きをしている。

それも関係無しに会議の開始だ。

これからトゥアセルドが来て、その後に俺達が向かう事も知る訳無いだろう。

今から死ぬと言う事実に立ち向かえるか、俺は早く謎の美少女との戦いを終わらせないといけない。

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