第二十六話 決断の日
- 第二十六話 決断の日 -
あの超特訓の後、3日程ほぼ寝ずに死と隣合わせの猛特訓をしていた。
ストレイターと怠慢したり…立ち回りを改めて考えたり…ドクターストップが掛けられそうな程に肉体面での限界が来ていた。俺と色夏はヘトヘトになりながらも、骨折しようと、腕が消し飛んでも諦めず特訓を行った。
そして、4日という日数が経過…俺達は特訓を終えた。
「これにて特訓は終了だ…ね」
俺事、式破はヘトヘトになりながらも色夏を見つめた。彼女も今にも過労死しそうな状況だった。だが、甘えてられない。あと三日で俺が酷い扱いをされる事になった元凶がとある場所に現れるのだ。今から行かなければ間に合うか分からない。あの”手紙”からして様々な神も集まる事だ。絶対に早めに来ている神もいるはず。だがこの状況で行っても魔法や能力の制御が曖昧になる。なので俺達は1時間後に突入を開始する。
*
色夏の家───。
2人は作戦会議をしていた。
あのラグエル戦の出来事を反省とし、新たなる策を生み出す。
「まず、目的などを纏める所から入ろう。目的は”元凶”の討伐、あのラグエル戦とは掛け離れた規模の戦いになるだろう」
最優先は”元凶”無駄な戦いは避けなければならない。だが、来る場所も定められているので”元凶”も含め色々な奴と戦うことになるのは確定。俺が次の言葉を放とうとした時、色夏が口を開いた。
「でも、”元凶”は何かの会議で現れるのよね。しかも外の世界にある施設内で、会議なんだから”元凶”の手下見たいのも集まるって事でしょ?ラグエル戦みたいな行動したら、また大惨事な結果になるわよ?」
彼女が問い掛けてきたのは元凶では無くその周りの事や行動の事だった。
色夏の言う通り、ラグエル戦と同じ行動をすればとんでもない事になるのは間違えない。でもそれを避ける為に特訓を重ねてきた。俺は真剣な目付きで色夏を見た。
「分かってるよ。だから超特訓をしてきたんじゃないか、最初のストレイターと戦った時、あれは状況判断と適切な仲間へのカバーを元にした訓練。倒せた理由はそこにあったんだよ。2人で1人を相手にするのはやや効率が悪い。だが、仲間を援護しながら1人1人で戦えば効率は上昇。偶然にも俺と色夏のシンクロ率は”100%”これが”元凶”との戦いで優位に動けるはず。」
超特訓を元に考えた戦略は必ず刺さる。
長々と説明していたが彼女の目付きは呆れも無い俺と同じ目。
「貴方の言う通りだわ、式破。んじゃ、私は準備してくる事にするわ」
彼女はその言葉を残し、部屋へと戻っていく。俺も準備をする為に部屋へと入る。無音の中バサッ、カチャ、バタンなどと言った音が鳴り響く。そして、2人は同時に部屋から出てきた。2人は同時にお互いの顔を見ながら微笑んでいた。それはそうだ、ここまでシンクロしてしまうと笑うしか無い。だが、2人はすぐに切り替え、外へ出る。
無をも破壊する能力は部屋でやると危険過ぎるので外で実行。
「始めるぞ」
俺はその一言を放つと彼女はゆっくり頷く。
俺はゆっくりと深呼吸をしては目を瞑る。
「ストレイター、後は頼んだ」
「了解」
と言うと俺の体は俺の根源、ストレイターと入れ替わる。
ストレイターは真っ直ぐ両手を伸ばし、破壊を始める。
「位置を推測……完了。周りへの被害を解析……完了。言葉を表せるものを破壊する能力を使用し、半径1.5mの空間と無を破壊します」
俺とは大違いな思考と考えで高速で空間と無を破壊する所まで来た。
直径3m内に存在する空間と無はガラスのように弾けて行き、無の先へと到達した。後は干渉するだけと思ったが、ストレイターは少し躓いた。
「対象者のみが通れる結界を確認。すぐに対処します。能力創造を活用し、この結界のデータを取得……完了。このデータを生け贄にし、特性 絶対干渉を習得。ギフトにより色夏へも絶対干渉を習得。これにより”外側の世界”へ干渉が可能になりました。他にも様々な場所へ干渉可能です。これで終了します。後は頼みました、管理者」
「流石ストレイターさん。仕事が早い……」
俺はストレイターと入れ替わり元の状態へと戻る。あの短時間で結界を解析して能力創造とかで応用するとは、これは勝てそうにない。でも、短時間で他の事にも応用が効く絶対干渉を習得したんだ。ストレイターには感謝しかない。
「こ、これで行けるってこと?」
早すぎる状況判断と適切な行動を目にした彼女は何が起きたのか理解出来ず、困惑していた。目の前には赤く滲んだ空と体を痺れさせる謎の空気と圧迫感。だがこんなことをしてられない。覚悟を決め、俺は足を運ぶ。それに続き、彼女も足を運ぶ。
「行くぞ!外の世界!」
ここで全てが解決する。ここで何もかも解決するはずなんだ。
必ず倒す、待ってろよ”元凶”!




