異動
4話目投稿しました。
「橘さん、ちょっといいかな」
「はい、なんでしょう」
「次の部署異動願いというか、アンケートというかの用紙ってもう出してたっけ」
「あー、えっと、多分まだ、だと思います」
「もうすぐ締め切りだから忘れないようにねー」
「はい、ありがとうございます」
そうか、もうそんな時期か。記者としてこの会社に入社して数年、そろそろ異動することになるのかもしれない。異動願いのアンケート自体は毎年末に行われるのだが、私は今の編集部が気に入っていたから異動はしたくないとの旨を書いて提出していた。だからずっとこの部署に残ってきたのだが、毎年入社してくる後輩もたくさんできた。後進育成というわけではないけど、後輩たちを育てる、いわゆる指導係として見守るのは楽しかった。その後輩たちが育ってきたら指導役も変わる。私はベテランになってくるだけ。異動したくなくても強制的に異動される可能性が高いのだ。次はどこだろうかと思いながら、私は昼休みに1〜5で表される異動希望願いアンケートに4を書き入れ、提出しに行った。
読んでいただきありがとうございます。
今回は話の都合上少し短めに書かせていただきました。
次回はいつも通りの長さにする予定です。