神隠し? 3日目 (6)
あらすじ
卒業式準備の日なので在校生が準備しないといけないらしい。神詠さんが晋也くんの家に来た本当の理由を話そうとしたとき、晋也は意識が朦朧としそのまま寝た。目が覚めると晋也の頭の下には神詠の膝が?!とりあえず挨拶を交わした……――
俺はそっと頭を上げ、すぐさま膝から頭をのけた。その時チラッと見えたが、神詠さんの顔が少し赤っぽかった。
その後お互いが顔を赤らめながら別々の方向を見ている状態が数十秒続いた。俺がこの空気の中最初に発することに成功した。
「そ、そろそろ支度をしないといけないんで、い、一旦部屋から出て貰っていいですか?」
俺は少し緊張しながら言った。その言葉で我に返ったのか、無言のまま俯いて神詠さんは俺の部屋を後にした。
よ、よかった……というか緊張した。
俺の心臓はまだバクバクしている。いや、バクバクがどんどん激しくなっていく。胸に手を当てているだけで感じる「あ、これ治まるのにかなり掛かるやつだ! (心臓のバクバク)」うまく神詠さんにこの部屋から出て貰えるように仕向けれたが、ここからどうしたら良いものかと俺は悩んだ。
……とりあえず着替えよう。
俺はクローゼットから制服を取り出すと、インターネットで調べ物をしながら着替えた。調べ物とは勿論『魔王は倒せない、だから異世界ライフ』の攻略情報探しのついでにブログを見るためだ。
なぜ“攻略情報探し”かというと、まだ攻略情報らしい情報が載った記事を一度も見たことがないからだ。といってもリリースされてからまだ3日しか経ってないのでそんなに早く出るとも限らない。だが俺としては早く見たいところだ。
カチカチ
着替えは大体終わったので片手にマウス、片手にキーボードの姿勢で攻略情報を探す。暗いままだと目が悪くなるので――といっても窓のカーテンは開けてある――部屋の電気をしっかり点けて作業する。
「し、晋也くん……。着替えが終わったのならい、言ってください。いつまで待たせるつ、つもりですか!」
俺は不意に声を掛けられビックリした。後ろを振り返ると神詠さんがいつの間にか部屋に入ってきていた。俺が言葉を発そうとしたとき、それよりも早く神詠さんが俺の言葉を遮るように話し出した。
「あ、あと……、朝はすみませんでした」
神詠さんが突然謝ってきた。俺は全く訳が解らず机に背中を預けたまま呆然と立ち尽くした。
「わ、私幼馴染み以外の男性の方とあまり話したことが無くて……さ、さっきのは忘れてください」
神詠さんは下を向いたまま、もごもごと話していたので顔はよく見えなかったが、恐らく顔を赤らめて言っていたのだろうと思う。場の雰囲気が整ってきたとき、後から新着メッセージが来たことを知らせる通知音が聞こえた。俺は神詠さんに断りを入れてからパソコンを操作してメッセージを見た。
「これは……」
そこに書かれていたのは『魔王は倒せない。だから異世界ライフ』の第一回イベント開催の詳細だった。俺は画面をスクロールして詳細を見た。
来週はマライの投稿です!(第九話 帰還とトラブル (4) )
えー、特に話すことはないです笑
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