第一話 神隠し? (1)
「マライ」のスピンオフのような物を最近書いていたので、投稿してみます。
この作品の投稿は、恐らく週1、2くらいになると思います。
楽しんでいってください。
もちろん、今日の分の「マライ」も出すので、読んでくださいね。
俺は見てしまった。ある住宅街の道で、2人の学生と思しき人物が光に包まれ……消えた。
俺の名前は栄迅 晋也。主人公気取りのモブAだ。……だったが、そうあれは学校へ登校しているときのことだった。ブロック塀の曲がり角(T字路)で思わぬ光景を見てしまった。学生と思しき人物2人が光に包まれ、その場から姿を消した。一瞬の出来事だったので、その時は幻覚だろうと思っていたのだけど――
その後学校に着き、自分の席に座っていると、隣のクラスの担任が慌てた様子で俺らのクラスに走り込んできた。
「坂田先生! 雷鳴くんを見かけませんでしたか?!」
隣のクラスの担任、岸川先生がそう言った。
「え? 雷鳴はもう来ている時間では?」
「それが、まだ来ていないんです!」
なぜ雷鳴くんが来ていないだけで、慌てているかというと、雷鳴くんは成績優秀で、真面目で、クラスの人気者、そして時間を守る人だからだ。なので HR の10分前には教室に居るのだ。だが、今日は既に5分前になっている。にもかかわらず、教室に居ないのだ。
「いつも時間を守っている雷鳴が無断欠席? するはずは無い!」
「親御さんには電話をしましたが、とっくに登校したと、言っていました」
あ! まさか……いや、そんなはずはない。あの時2人居たんだ。いつも雷鳴くんは1人で登校しているはずだ。
「誰か! 登校中に雷鳴を見かけた奴はいるかー?」
先生が俺達に雷鳴くんを見ていないか聞いてきた。
「何でもいい、登校中に何か見なかったか?」
「先生!」
俺は一応朝の出来事が何かあると思い、先生に報告した。
「う~ん、なるほど。嘘では無いんだな?」
「はい!」
「岸川先生、校長先生にこの事を。あと警察にも連絡、お願いします」
と、坂田先生は小声で岸川先生に言った。
「他に、おかしな出来事は無かったか?」
「……」
皆黙っている。何も無かったようだ。