表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一万人の転移  作者: 藤村 次郎
4/41

パラレルワールド管理局の説明

 ああ・・。疲れた。だれかこの状況を説明してくれ!!

おれは思わず叫んだ。とっ。

 「こんばんは! 」と突然声がした。そこには黒のスーツに身を固めた男の子と女の子がいた。

年のころは、12歳と10歳ぐらいだろうか。見た歳と着ているものがアンバランスである。

「パラレルワールド管理局のキイと申します。こちらはアンです。電車の中で向かい側に居た者です。」

「あ・。そうか!。で、どうしてこうなったの?。それより、俺以外の人に聞かれたり見られるのは困らないか? 」とおれは尋ねる。

「大丈夫です。不可視と遮音の壁を展開しましたので、誰も気が付きません。」

「で、ここは、魔女の惑星と呼ばれており、いわゆる魔法を操る魔女が管理する星です。そして、8代魔女ジローの時代で、そのうちジローにも会えると思います。彼女には今回の12000人の転移について無理を聞いてもらいました。何が無理なのかは、今は聞かないでくださいね。」


 ある星で、消滅の危機がきた。ある科学者がパラレルワールドの存在を探し当て、そこへ12000人を放出した。それが今回の転移であると。科学者たちは、消滅に追い詰めた元凶の自分たちが転移すれば、再び同じの愚を踏む可能性があると反省し、その要因が薄いと思われる昔の人たちに未来を賭けた。ということらしい。


今回は魔女ジローが、地球と呼ばれる星から“導き手”を召喚したということで、俺がここにいる。

「12000人の導き手として、よろしくお願いします。」とアン。


 しかし、パラレルワールドに放出すれば何とかなると思ったのだろうか?。管理局が拾わなきゃ、パラレルワールドのごみとなって、うん・・ どうなるのかな? ごみはごみ、いつかは掃除しなくてはならない。掃除って、きっと消滅なんだろう。では今回のごみを生かす方向で、動いたということか。誰が?。


 ラノベでよくある転移ものなのかな?

冷静に応答できたのも、転移ものを幾つか読んでいたせいなのか。

この状況は面白い。カレーよりおいしそうだ。

彼らの話によると、この世界と地球の接点が、電車の中の俺になっていたこと、向かい側に座っていた2人がキーとアンだった。日暮里の駅に近づくと接点が活発になって、この世界と接続される。そして俺が召喚されたと。


 それより前に、キーとアンは俺の情報を地球で探していたそうだ。召喚される導き手の目途は立ったのだが、何時、何処でが確定していなかった。あの日暮里の手前でやっと捕捉できたそうだ。また、違法のタイムトラベラーが狙っていることも。2人の少女がそれにあたる。


「俺は、元に帰れるのか? 」

「ちょと難しいですね。今は何とも言えません。残念ながら。」

「うーーん。じゃあ、何か特殊な能力とか欲しいものをくれるとか、ゲームの定番はあるのか? 」

「あります。この星は魔法が使えます。ただし、魔女の許可が必要です。 と、物もあげられます。」

「魔法というと、あれか! 炎とか水とか思いのままに出てくるとか? 」

「いやいや、すぐにできないですね。ここに教科書がありますので、置いて行きます。近いうちに適切なひとが指南に参ります。一朝一夕には習得できませんよ。」

「それと何をくれるの? まさか銅の斧、銀の斧、金の斧、正直者にはお願いを聞いてくれるって。」

「ええーと。そうですね。なんでも入るバッグをあげましょう。ただし生きているものは入りません。容量は無限です。取り出すときは手を入れて、そのものをイメージすればOKです。それから、バッグの中は時間が停止しています。何が入っているかは、横にモニタが付いていますのでそれでわかります。」

「それは確かに転移もののお約束みたいだね。ネットができるパソコンもほしいな。」

「ネットはできませんが、パソコンは提供できます。 えーと、これなんかどうですか? 」

背中に背負っていたバッグを下して、その中からパソコンを取り出して机に乗せた。えっ。これって俺が使っていたノートパソコンじゃないか?。

「でも、こんなもの持ってたら不思議がるよね。」

「そうですね。じゃあ、これはどうですか? 一見丸い棒に見えますが、この横の右側のスイッチを一度押すと、画面が出てきて、左側ではキーボードが出てきます。」とキー。

これは、良いかも。カメラも付いているから写真も録画もできる。


 「それと、ユキ姫に懐いている、犬?は なに?

よくよく見ると、頭に角があるので、地球の犬とは違うようだが? 」

「あ・ それはこの星に住む聖獣です。 魔女から派遣されてきたようですね。」

「え・ 魔女! … うーーん。魔女について教えてくれるかな?」

「ジローと言って、10歳ぐらいのかわいい少女ですよ。鷲鼻や黒い帽子などはありません。そのうち訪ねてゆくと思いますよ。」


「まあ今日はこの辺にしておこう。 お腹一杯だし、眠いし。 また今度で良いかな? 」

「良いですよ。連絡方法は、その聖獣に言ってくれれば伝わります。今日のところは引き上げます。12000人の面倒をよろしくお願いします。」


もうコンガラガッタよ。 パソコンに今日一日の出来事を入力した。もう 寝よう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ