長家を作る
2月15日。
北西の森の際に粘土質の土壌を見つけた。
ちょっと太めの木で柱を立てる。柳の細枝を縦横に張って、粘土質の土を付けて壁をつくる。
屋根には木を渡して、萱を張る。ざっと雨風が凌げれば良しとする。
奥行8Mで、左右に長い長屋をつくり、4Mごとに区切って入り口をつくる。一区画4人部屋とする。
1Kmごとに散会した大隊ごとに、4M*20室を25棟作る計画。
この計画を、本部会議で練って詳細を詰めてゆく。
1、小屋づくりが指導できる人材を集め、チームを作る。
2、設置場所は、川から離れたちょっと小高くなったところとする。
(川の氾濫がどの程度かわからないので、川面から3M以上の高さを確保したい。)
3、資材が運びやすいところ
各大隊長の指示のもとに、作業を開始した。
まず、日干し煉瓦を作る人員を集め、北西の森に出かける。
水場やこねる場所、干す広場や休憩所などを準備する。材料の粘土を集め、適当な硬さに練ってゆく。
製材された板がないので、手で適当な大きさにして干し場に並べる。
これを、毎日やる。飽きる。交代する。
木や小枝、萱など資材の調達隊を組んで、近在の森や葦原にむかわせた。
柱になりそうな木は、川べりに生えている柳らしいもの。鉈を手に手に伐採してゆく。
竹林も何か所か見えたので、これも使える。
森の中に分け入り、柱を結わえる蔦を探す。
川伝いに、葦原に入っては屋根葺き材を集める。
やはり、床は土のままになるが、外の地面より少し上げたほうがいいだろう。
柱に沿って、腰高まで日干し煉瓦を積んでゆく。それより上は、細枝や萱を挟むように土粘土で壁を作ってゆく。
炊事場も10か所ほど作る。当面は兵糧隊のメンバーが食事を作る。
やはり、川岸や周囲だけでは、必要量は調達できなかった。
とりあえず各隊10棟ほどできた。冬までには、棟を増やして住みやすくしてゆこう。
兵隊という組織隊は、命令系統が明白で、報連相が行き届いている。
なんやかんやと言いながら、10日ほどで各隊とも10棟ほどが完成した。
まあ、一部屋10人ぐらいになりそうだが、とりあえずは辛抱してもらおう。
兵糧隊は、荷物を囲むように小屋を建てた。まあ盗難防止の意味もある。
救援隊は、50Mの円を囲むように小屋を建てた。真ん中には救護小屋を設置した。
女性居住区は、親衛隊の南に、兵たちのほうに向けて小屋を建てた。
まあ、不穏な輩が近づくとポチが牽制するからね。
「うぉん。まかせろ!」
シンとユキ姫や本部は、全体が見えるように小高くなっており、南側に親衛隊がいる。
カナン川に沿って、手前から親衛隊、女性居住区、兵糧隊、救援隊、広場、1Km先からオルバ隊、エルンギ隊、マサカツ隊、ブルグ隊、ササキ隊が陣取っている。海までの6Kmに散在する、およそ60棟の長屋ができた。これで、雨を凌ぎ、行く行くは冬に向けての準備ができそうだ。
長屋だ。それも男が圧倒的に多い!!。
整理、整頓、清潔、清掃、躾を行き届かそう。
そろそろ、建国と名目で民を結束させると良いかな。軍の上に国があるように、国の傘下に色々な機関を作って行こう。当面、治安は必要なので軍政は維持する。




