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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
14/41

温泉を見つけた

 本部から、山の方へ1Kmほどのところに、湯煙を発見した。

「おお! ひょっとしたら。 温泉だー。 」とアランとポチが走った。

3歩遅れて、調査隊が辿り着いた。


 確かに、岩肌から湯煙を伴った流れがあり、手前の湯船と思わしき窪みに流れこんでいた。

ここに小屋を作って、皆に湯あみをさせれば、清潔が保てそうだ。

それに、100M東側に、小さいが同じような湯道と湯船が見えた。

ああ、これは女性用かな。


早速、回りを調査して、小屋と女性用の柵の設置を話し合った。


 しかし、それだけではなかった。

湯道の脇を左に奥まったところに、もっと大きな吹き出し口があって、上流からくる川と合流していた。

「これを、本部近くまで導いて、公衆浴場を作ろうか? 」とシン。

「おお、それは名案。 是非、通してください。 私専用の温泉も 」とユキ姫が懇願する。上目づかいで、可愛い。


 調査の最終日だったので、下山した。

大隊長らを緊急招集した。それほどにうれしい情報だ。

「ここより、山の方に1KMほど上がった先に、温泉があった。 」とシン。

「温泉?? 熱いお湯が出ているのですか?? 」とエルンギとササキが声を合わせて詰め寄る。

「そうだ! 」

「おお !!」厳つい顔が緩み放しになった。

「早速、明日から調査隊と工事隊を向かわせましょう。」とムルベ。

なんか、何時ものムルベではなく、はしゃいでいる。

「あ! そうだ兵たちにはまだ内緒だからな。我々がちゃんと調査してからだからな! 」とマサムネ。


 ああ、良いな。明日にも浸かりに行こう。

大隊長など上位のものが、ひそひそと日参するものだから、噂がすぐに広まった。


「山の方に、温泉が湧いているそうだ。隊長らが日参している。俺らも浸かりたいなあ。」

10日ぐらい経ってから、温泉小屋や湯船などの整備に50名ほど人員を集めた。

マサムネが中心になって、整備作業を行う。

湯船の縁で崩れたところを埋めて、底の泥を掻き出す。

脱衣場を作る。

女性用の方も同様に整備し、外から見えないように囲いを巡らす。


皆も早く浸かりたいのか、作業がはかどり、5日後には温泉開きを行った。

なぜか、沿道から周囲の木立の中まで、多くの人が集まった。ひょっとして全員か?


「湯船につかる前に、身体の汚れを落とせ! 。それから、利用は3日に1度、この水時計を入浴時間にする。」

「違反するものは、使役が待っているからな! 監視員の言うことには従うこと。 以上。」

とマサムネが大きな声で伝えた。


3日に1度だと、一日4000人。 5時から10時の5時間、20分の水時計で、入れ替えが15回。4000を15で割ると、およそ300人。 ちょっと狭いけど、OK OK。

昼間は、働いているので、基本的には自由としたので、手のすいたものは合間を見て入浴しているようだ。

6か月後には、もう一区画増設した。


本部には、3か月後引き込みが行われ、シンたちはいつでも入浴できるようになった。

まあ、役得と思おう。皆が率先してやってくれた。決して強要はしていない。はず。

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