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夏の魔物討伐 1.5.

Neishelia  「新年明けましておめでとうござ「何ほざいてんの!その挨拶をする期間はとっくの昔に終わってるんだけど?!今まで何してたの?!」」


Neishelia 「いや、メルスティア、これには深い事情が……!(*>д<)」


メルスティア 「そんなの知ったこっちゃない!更新遅い!せめて7日までにしておいてよバカ!(`□´)」


Neishelia  「=(;゜;Д;゜;;)⇒グサッ!!大変申し訳ありませんでしたっっ!Σ(>Д<)」




 本当に大変申し訳ありません。更新が遅れてしまいました。今年の抱負は一ヶ月に二回以上更新することです。今月は最低でもあと一回!更新できるように頑張ります。

 今年もどうぞ、宜しくお願い致します。m(_ _)m

 準備も何もかもが全て終わった今日、私たちは各自の持ち場へ移動することになった。私は結界の外へ夏の魔物(アエスタースデモン)の捜査に行くラスターさんとアリス様と一緒に礎のところへと向かっている。

 指示が出されてからは時間が矢のように過ぎ去って行った……こともなく。いやぁ、ね?確かに夏の魔物(アエスタースデモン)がやって来たのはすごく大きな出来事だよ?それも他のことが霞む程に。でも私にとってそれと同じぐらいの出来事があってね……。




★°٠*。☆٠°*。★°٠*。☆٠°*。




 聖騎士の部屋を離れて騎士寮の自室に戻ると、そこには珍客がいた。この都会である王都の、しかも城の中にある騎士寮の私の部屋にいたのはまさかのフェレット。近くには城が管理している森もあるけど流石にここまでやってくる訳がない。

 でもね、考えてみて。緊張感たっぷりの場所から自分の部屋に帰ったら可愛い小動物。愛らしいくりくりっとした瞳で見上げてくるんだよ?白いいかにもモフモフしてそうな生き物が自分を見つめてるんだよ?これはモフるしかない!


 そうと決まれば即行動でしょ?モフろうと手を近づければ何か変な感じがするわけ。嫌な予感がして一瞬手が止まったけど、気のせいだと思うことにしてモフろうとしたら……!今度はそのフェレットから魔力を感じたんだよ!抑えているっぽかったけど、私には感知できちゃうわけで。その魔力に集中してみればあれまぁ!


 ()()()()()()!()!()


 そう。まさかのフェレットは王女様だった。何か知ってる魔力だなぁ、と思ったら王女様!そりゃ知ってるわけだ。任命式のときにいたからね。

 顔がひきつりそうになるのを精神力と表情筋を総動員して堪えたよ。我ながら凄いと思う。あと今までで一番公爵家のスパルタマナーレッスンvol.1~5に感謝した。


 でもそんな感激に浸ってる暇なんて無かった。今の自分の部屋には一国の王女に相応しい椅子も、机も、食べ物も一切無い。即席になったけど置いてある椅子と机に魔法をかけてちょっと華美な装飾のあるものに作り替え、フェレット姿の王女様にその椅子を案内した。


「王女殿下、こちらにお座りください」


 急に机と椅子を作り替えたのと、この言葉で私がフェレット=王女様と気付いたことを悟った王女様は、フェレットらしからぬニヤリとした表情を浮かべるとひらりと宙返りをして本来の姿に戻る。


「どうして分かってしまったのかしら。途中までは上手くいっていたはずでしたのに」


 む~、と唸りながら席についた王女様は私に向かってそう聞いた。ちょっと待って。そうじゃないでしょ。何で貴方がここにいるの!

 喉元まで出かかった言葉を飲み込んで笑顔で答える。


「魔力でございます」


 そう言った瞬間、王女様は豆鉄砲を食らったような顔をした。王女様でもこんな顔するんだね。


「おかしいですわ。私、今までで一番上手く出来ていましたのよ?それに見張りだって気づきませんでしたの。ですのに、何で分かったのかしら?」


 ん?空耳?何か変なワード聞こえなかった?ミハリダッテキヅキマセンデシタノ?なんだろな~。ちょっと何言ってるか分かんない。

 ここは必殺!ニッコリ笑って誤魔化す。そして棚から魔法で呼び寄せたクッキーを差し出す。


「なぜでしょうね?女の勘、というものでしょうか。粗品ですが宜しければ。お知らせくだされば良い品を準備させて頂けたのですが、今回はこれでご了承くださいませ」


 訳:アポ無しに来んなよ?

 出したクッキーは、一応巷で最近流行りのお菓子屋の新作クッキーなんだよね。もしかしたらこの王女様は知ってるかも知れないけど。


「まあ!スメルシァの新作クッキーですのね?私、気になっていましたの。ありがとう」


 あ、やっぱ知ってたんだ。これは今まで絶対に下町降りてるわ。絶対抜け出してるパターンだ。乾いた笑みを浮かんでくるのを抑え、言葉をそのまま受け取ることにした。


「喜んでいただけて嬉しい限りでございます、王女殿下」


「あら。王女殿下なんて呼ばないでちょうだい、メルスティア。貴方は私のことをレイリーンと呼ぶ権利がありますわ。ほら、座って」


 えっ、そんな権利いりません。返品しまーす。あーあ!こうやって言えたらどんなに楽か……。トホホと心の涙を流すことしかできない。だって私が逆らえないことを分かっておきながら言ってるんだもんこの人。確信犯だもん。何かセルシュヴィーン様より厄介かも……。


「ありがとうございます、レイリーン様。ところで、なぜここにいらしたのかをお聞きしても?」


 レイリーン様の向かいに座って尋ねる。正直なところ早く答えて早く帰ってほしい。出来ればここに来た理由は知りたくないけど聞かなきゃ絶対帰ってくれない。


「そうね、貴方を見に来ましたのよ。前回見たのは貴方が訓練場で騎士たちを次々と薙ぎ倒しているところでしたわ。見物でしたわね」


 ミルク色の緩やかな巻き髪を指先で弄びながらフワリと微笑む。何か凄みが……。てか、そういえばいたね。野次馬に混じっていたよ。


「それはお恥ずかしいところを……」


「いいえ。私は確信いたしましたわ。貴方は私が下町に降りるときの護衛役ができると!」


 あっ……。マジか。そう来たか。翡翠の瞳を細めて言われても、言ってることが言ってることだからねぇ。


「それはできかねます。レイリーン様には私よりも相応しい方がいらっしゃいますでしょう?今までその方と行っていらしたのです。これからもその方と行く方がよろしいかと。私が同行してしまえば変な勘繰りをされてしまいます。」


 訳:今まで行ってた人と行ってよ。急に私が行ったら絶対僻み妬み増えるんだけど。しかも王女の護衛になったとか思われたら困る!

 やんわり、ずばっと断る。この言い方なら大丈夫。レイリーン様は私を自分専属の護衛騎士にするために自らやって来たんだろう。でもそれは困る。だって異国から来て入団してたった一ヶ月の新人が、他の人たち差し置いて王族の専属護衛騎士とか。そんなのいいターゲットじゃん。


「それは私の「レイリーン様の友人かと間違われるなんて貴方様に失礼ですから。」」


 わざと被せたのは見逃してほしい。その続きは必要ないからね。


「そ、そう……ね。ならばどうしようかしら?」


「そうですね。私の立ち位置が明確になりましたら、いつでもご同行させていただきます。……あ!騎士寮に複数の魔力が近づいています。集団で通る場所を隅々まで動いていますので、レイリーン様の護衛の方では?」


 訳:貴方の専属護衛騎士にはならないってことが周知の事実になったら行ってもいいよ。これで話は終わり!さあ、帰った帰った!


「それはいけないわね。そろそろお暇しますわ。では近々下町に行けることを楽しみにしていますわ。ごきげんよう!」


 レイリーン様はポンッと可愛らしい音を立ててまた元のフェレット姿になると、窓から帰っていった。


 最後にしっかりと言い残して行ったよ。レイリーン様について下町行くの確定……。死んだ魚のような目になっているのは分かってても現実逃避したいのは仕方ない。そして脱力感が凄い。

 一気に緊張が解けてベッドへと倒れ込み、部屋全体に魔力を行き渡らせて準備したい物を全て亜空間に放り込んでいく。全ての準備が終わる前に意識が微睡み始め、そのまま眠ってしまっていた──。




★°٠*。☆٠°*。★°٠*。☆٠°*。




 ってなことがあったんだよ。まさか王女様がフェレットになって自分の部屋で待ち構えてるなんて思わないじゃん?レイリーン様は夏の魔物(アエスタースデモン)並みの存在だ。あの人はヤバかった。


「メルスティアちゃんはここでねぇ。僕たちは結界を出てぇ、夏の魔物(アエスタースデモン)を探しに行くからぁ。」


 場のピリピリとした空気をぶち壊すようなふわふわした声で現実に戻る。いつの間にか王都の結界の礎があるところまで来ていたようだ。


「分かりました。ご武運を。」


 ラスターさんに敬礼をして踵を返す。私が踵を返すと同時にラスターさんとアリス様も踵を返して結界の外へと向かって行った。

 完璧に予告詐欺です。フェレット王女が強烈だったのがいけませんね( ・`д・´)

 次話は必ず結界の礎の説明まで行きます!

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