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プロローグ

 はじめましての方もそうでない方も、«真白»を読みに来てくれてありがとうございます(*>∀<*)

拙作ですが、ぜひ読んでやってください!


 2019 9/1 がっつり改稿しました。大まかな内容は変わってないけど、細かいところが変わってます。

 もうすぐ。もう少しで、私は解放される。私がどれだけ待ち望んだか。私の待ち望んだ瞬間がもうすぐ訪れる────。




★°·*。☆.°*。★°٠*。☆.°*。★°٠*。




──時を遡ること10年……。




「転生かぁ……」


  私、クヴァシル皇国フォルセティ公爵家のクリスティーナ・フォルセティ、六歳。今日は生まれて初めて魔法を使うことになったの! とはしゃいでいたのはつい先程までのこと。今は自分が知っている大きさよりも()()()()()()手をにぎにぎと閉じたり開いたりしながら、まじまじとその動きを見つめている。

 魔法を使った。うん。使ったね。使えちゃったよ。そしたら何か記憶が流れ込んで来たよ。黒目黒髪の平凡で多趣味な女子の記憶がね。

 死んでたわ……。自分の葬式の様子見てたよ。長いお経で眠くなり、欠伸したところでプツンと切れている記憶。これどう考えても欠伸で転生しただろ。ま、いっか。


 それより今のことだよね。転生したせいで、精神年齢どう考えても高くなってるじゃん。隠しておかないと不気味な子確定だよな……。うん、隠そう。隠し通そう。それで自由気儘な暮らしを送ろう。って!送れないじゃん!!

  今の私は公爵令嬢だから婚約者がいる。それはまあ、いい。そういう仕組みの世界なんだろうね。魔法がある時点でだいたい予想つくし。でも、でもね?


 ()()()()()()()()ってどう考えても気儘に生きて行けないよ!!


 クヴァシル皇国第一皇子エドルグリード・クヴァシル。私より2つ年上で、齢八歳にして、すでに哲学書とか読んじゃってる世紀の天才だって。昨日会ったけど、ありゃ美少年だったね。将来いい男になると思う。でもこれどう考えても、政略結婚だよな~。六歳なのに婚約ってそれ以外なくない? しかも昨日のが初対面だし。

 だから言っていい? 私は道具じゃない! しかもこの国、超が付くほどの男尊女卑国じゃん!! 女ってだけで貶められるなんて国断固反対!!最悪……。

 でも、今前世思い出して良かった。今からならまだ間に合う!婚約破棄して、この国を出ていこう!




★°٠*。☆٠°*。★°٠*。☆٠°*。




 こうして六歳で前世を思い出した私は、将来この国から出ていくために必要な準備を始めた。


 まずは魔法について。幸いにも、私は全属性の魔法が使えた。魔力も皇族より多いか少ないかぐらいだったのだ。所謂、完全チート。

 前世の日本にはなかった魔法が思う存分使えるとわかって、テンション上がりまくったよ? でも、このことが露見すると確実にこの国から逃れられないじゃん? だから私はその事を隠し通すことにした。周りの人々には、光の属性だけが使えると思わせて、魔力量は並みよりやや高い位という認識にさせた。だから周りからの評価は『さすがは公爵家』という評価に落ち着いた。


 次に勉強系。これは全力を尽くした。だって、公爵令嬢であり、次期皇太子妃だからこそ受けられる教育だ。マナー講座とかすごく厳しかったけど、マナーの先生ったらできたら飴ちゃんくれるんだよ? やる気でるじゃん? べ、別に飴ちゃんに釣られたりなんかして……ないもん!



 そして武術とか生きていく上でヤバい時に使えそうなのを習った。普通の令嬢はそこまでしないって? 残念。私は普通じゃない。自分で言うのも何だが、チートの塊だ。前世で読んだラノベの中では、こんなことしてた主人公が多かったから別にいいと私は思ってるけど。勿論、現世の父──お父様──には反対された。女には必要ないって。つまり女ごときには教育に金をかけたくないって言いたいんだろう。お父様は国の外交を担っている偉い人らしいけど、父親としては一言で言ってクズだ。でも泣き倒したら、どうせすぐに諦めるとでも思ったんだろうね。習わせてくれた。意外と簡単に習わせてくれたなぁ。


 そんなこんなして生きてきていると、この国の王公貴族が通う『魔法学院』に通う年──14歳──になった。そのときには、私はすでに社交界で二つ名が付けられていた。«真白の令嬢»だって。ストレートの髪が銀髪で、使う魔法は光の属性。さらに肌は美しい陶器のような透明感の溢れる白い肌で、その顔に浮かぶ表情は優しげな微笑み。心優しく、この国の国母に相応しい令嬢である。ということから付けられたらしい。正直な話……、知るかっ! そんなもん! 誰だよそれ!

 確かに、言葉遣いも仕草も見た目も全て磨いてきた。けどね……、あえてもう一度言わせてもらう。


 誰だよそれ!


 皆さ~ん、それは幻ですよ~。私の分厚い分厚い仮面です。何年もかけて育て上げてきた大きな大きな猫ちゃんです。


 これが実際の私だと知ったら皆どんな反応をするんだろう。絶対にばれないようにはするけど。まあ、仕方ない。ここまで真実と大きく違った話になっているのは、これまでの自分の行いのせいだ。


 それに加え、厄介な事が起きた。まさかの第一皇子が私のことを好きになってしまったのだ。会うたびに愛を囁いてくる。どこで覚えたその言葉! と突っ込みたくなるくらいには。でも皇子に突っ込むなんて小心者の私にはできないから、やんわり黙れと伝える。


「まあ、ありがとう存じます、殿下。けれど、お恥ずかしいですわ。皆様の前でそんな……」


 ちょっと恥ずかしがった感じに頬を片手で抑え、少し斜め下を見ながら伏し目がちで。込める気持ちはただ一つ。今すぐ黙れ。でもそうするともっと酷くなるわけで。


「あぁ、すまなかったな。愛しのクリス」


 なんて言ってくる。絶対伝わってない。あなた世紀の天才でしょうが! こっちは内心面倒だと思ってるのに。周りはそのやり取りから私たちは激が付くほどのラブラブだと思われてしまった。


 皆、ごめんね。それ誤解だから。全然違う。私はあんなキラキラ属性の皇子でも、頭が良くても、愛してくれても嫌なのだ。結局はこの人も男尊女卑男だから。




★°٠*。☆٠°*。★°٠*。☆٠°*。




 そうやって学院生活を送っていると、入学して一年たったある日から、エドルグリード様の隣には桜色の髪をした女生徒がいるようになった。ここで私はピンときた。チャンスだ! ってね。この国では婚約破棄を女性から申し出す事ができない。今皇子の隣にいる女生徒を皇子は好いているのだろう。私のところに来ることは少なくなったし。

 そこで私は二人の前に姿をわざと現すようにした。ほらよくあるじゃん。私はやったことないけど、乙女ゲームで出てくる悪役令嬢がするらしいじゃん?

 何回か二人が一緒にいるところに行くと、エドルグリード様から魔力の気配が感じられるようになった。それは日に日に強くなっていく。この気配は桜色の髪の女生徒、アストレアのものだった。これで分かった。魅了をかけているんだって。


 『魅了魔法』。すごく厄介な光魔法だ。呪いとか攻撃魔法だったら悪意が籠ってるし、対象を傷つけるものだから、魔力の籠った御守りで防ぐことができる。でも魅了は対象を傷つけることはない。だから御守りが反応しないのだ。防ぐことができるのは魅了専用の御守りだけ。作るのは結構難しいらしい。エドルグリード様がつけている御守りも例外ではない。だから防ぎようがないのだ。


 それからというもの、エドルグリード様の周りの付き人も魅了されていった。魅了が分かってから一年でほぼ全ての付き人がそうなった。本で読む時と違って、リアルで起きているので少々気味悪かった。案の定、エドルグリード様は私に婚約破棄を言ってきた。私は粛々と了承した。これがつい先日の話。


 これで舞台は整った。あとは私の存在をこの国から()()()()。クリスティーナ・フォルセティ十六歳。今から自由を掴みます!!

 さあ自由を掴みにレッツゴー!……の前にちょっとでもいいなと思ったら、ブクマとか評価とか、ポチッとしといてください!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文章構成とても良いと感じました! 所謂俺TUEEE系なのに「またテンプレ?」って思うこともなく読みすすめられました。 [気になる点] 文体ですが、〜〜?〜〜〜〜。〜〜〜〜 では…
2019/12/09 14:09 退会済み
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