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時代小説 彦四郎と幽霊およう  作者: カワラヒワ
3/20

 雀が鳴いている。

 朝になったのだ。

 彦四郎はいつものように布団の中で目を覚ました。

 気分は悪くなかった。


 外で長屋のおかみさんたちの笑い声や、子供を叱りつけるにぎやかな声がしている。

 何ら変わりのない、いつもの朝だった。


 陽は随分と高く昇って、部屋の中は暑いくらいになっていた。

 彦四郎は体を起こして伸びをした。


昨夜のことはきっと夢だったのだろう。きっと、そう・・・。夢だったのだ。

夢でなければ、こんな風にきちっと布団で寝ているわけがない。

それにこの通り、唐傘もちゃんと並べて立て掛けてあるし、行灯の油もまだ残っている.

幽霊などいない。現実にもあんな恐ろしい女がいるはずもない。


だけど・・・。


あの女のか細い声がまだ耳に残っている。

女の白い頬に揺れる長い髪。

目に涙を溜めた笑い顔。

ため息。


全部があまりにもありありと目に浮かぶ。

彦四郎はぞっとして、また布団にもぐりこんだ。



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