雄作の悲劇
前作のトイレディも宜しくお願いします
大人だったら、こんな時にお酒飲むんだろうな
松戸雄作は牛丼屋で自棄食いをしながら
そんな事を考えてた
店内の客見てないふりを決め込んでるが
各々が雄作を気にしていた
既に三杯目である
雄作は 人生四回目の初恋(実るまで初恋を続けるらしい)が終わったばかりである
今回の初恋は それは悲惨だった
…放課後の教室に呼び出された雄作
目の前には頬を朱に染めてる女生徒
天使の輪が輝くロングヘヤー
年相応の主張をしてる二つの膨らみ
すらりと伸びた足
チャームポイントは斯くあるべきと物語るような八重歯
天は二物も三物も与えるんだな
そんな彼女が目の前で手紙を握り締めて立っている
…ついに俺の時代きたんじゃね?
今から告白されるんじゃね?
そんな状況だった
彼女は口を開いた時 世界は終わりを告げた
「これ…友達の秋山君に…渡して欲しいの」
手紙にはハートのシールが貼られており
何処からどう見ても恋文であった…
そして今 牛丼屋で店内の客全員の注目の的なのだ
流石に四杯目は注文できずに店を出た
このまま家でふて寝するつもりで家を目指す
途中駄菓子屋の自販機でジュースを買う
ふと隣に据え付けられてるガチャガチャに目がいく
中身が見えないように細工されたガチャガチャには
貴方の運を試してみませんか?
運等試さなくても今日充分過ぎるほど悪いのを自覚させられたよ
そんな事を思いながら家に向かおうとしたのだが…
何か気になり財布から硬貨を取り出しやってみた
黒いカプセルが出た
その場で開ける気にもなれず上着のポケットに突っ込んで
家路についた