第1話『お姫様と騎士候補?』
ニートで引きこもりな俺氏(高校生)はハマってるゲームのイベントでたまたま外に出た。
そしたらなんか可愛い美少女に「ゲーム好きでしょ?」的な事で話しかけられて…「うん」と答えた。そこで記憶がとんでる。
「ってここどこだよ。くさっ!」
様子を見るに馬小屋。横には糞、があった。
「うわー!まじかよ…何で。」
俺はダッシュでその場を離れた。もしかしたら残像とか残ったんじゃねぇかって速さだった。
馬小屋自体が臭いから自分に臭いがついているかすらわからないし、どうしてゲームイベントに言っていたはずの俺氏がこんな馬小屋にいるかわからない。
「どこだよほんとに…さいあくだぁ。ゲームしたかったのに…家の近くじゃこんな馬小屋とかないよぉ。」
とぼとぼと、ナメクジより遅いんじゃねぇかってくらいな速さで外にでた。
※そこには驚くべき光景があった。
「なんだよこれ、すっげぇすっげぇファンタジーな世界じゃねぇかよ。こんなのあのゲームプレイするより楽しそ…そう言えば俺、ずっと家にいたから運動できない。」
嬉しい様な悲しい様な気分で町中を歩いていたがおかしい、やけに人の視線が刺さる。
だが今回は半袖の萌と堂々とフロントプリントされたTシャツには視線がいっていない。頭ばかりを見られる。
そこまで分かれば少しは勉強のできる俺氏ならわかった、さっきの馬小屋俺の頭のすぐ横に糞があった。
「はい、これは完全に付いてるな、髪についてるな。どうしよう。とりあえず路地裏に行こうか。」
路地裏、こんなにも人が少なくて落ち着くのか…。
外はどこでもさいあくな人地獄と思っていたけどここはなかなかいごこちが…ってそう言えば頭の糞について考えようと思ってたんだよ。どうしよう。
「あの、大丈夫ですか?」
俺は女の子に声をかけられた。これは多分救いの手か。
俺はすかさず振り向き、おっぱいが揺れている事に感動した後に返事する。
「その、大丈夫じゃないです。」
答えはそれしか浮かばなかった。それは、今まで女子と絡まなかった俺か、若しくはこの可愛い女の子の胸の影響だ。もちろん胸は関係ない。
「ハサミあるので髪を切りましょうか?」
やっぱり優しい系の人だ。最高だ女神だぁ。
ありがたやありがたや。
「おっお願いします。」
髪の毛を切って貰えた。これでもう糞付き野郎じゃなくなった。
そこで俺は感激とこの娘には糞付きといじられる覚悟をした。もちろんこんな優しい娘がそんな酷い事をするはずはない。
「そんな事より貴方、異世界から来ましたよね?」
え?今のセリフ、異世界って言ったよな。やっぱり異世界って言ったよな。こんなファンタジーな場所が地球にあるわけないよな。ここが地球と言う場所の可能性も考えてあの世界と訂正だな。
「え、俺は日本から来ました。」
この人とは言語が合うので、日本と答えれば多分わかるだろうと思ったが、日本を知らなかったらまずいかな。
アジア系の人っぽいから大丈夫かな。
「日本、その響懐かしいです。私も昔日本にいました。」
日本で通じて良かった。とても良かった。
「本当ですか?」
そう俺は聞いてみる。
「はい。ですが、この世界もとても気に入っています。私は昔剣術をしていました。ですが日本ではそれを使う事が叶いませんでしたので、この世界ではそんな事はなくて魔物を倒しみんなを救うために私の技を使えて幸せでした。それより、貴方はどうしてここに?」
憶えていないからもちろん俺氏は即返した。
「覚えてないんだ。」
それでも少しは心当たりがある。多分あの美少女が何かしたに違いない。
べたなところでいう女神とかそんな存在で冴えない俺をこんなファンタジーな世界に連れて行って世界を救ってとか言ってたに違いない。
何故か俺氏の空想は自分の中の確信に変わっていったのだった。
「けど、多分俺がここに来たのは、この世界を救う為だと思います。」
言ってしまった。全然確定では無いことを言ってしまった。普通に考えればフィクションならまだしもリアルならもっと凄い人を連れてくるべきだよな。
「そうなんですね。それで貴方はその剣銃を持っているのですね。」
ん?なんだそれは?
「拳銃?」
「ほら、その腰に下げている武器の事ですよ。」
俺はその言葉を受けて腰を見下ろす。
「うわ、ほんとだってこれ見たことない武器。」
腰には銃の様な物がかかっていた。
「それは何というか、ライトセイバーですね。刃が飛んでいくライトセイバーです。」
なんかすげぇ近未来武器なんですが。
「ラッライトセイバー。かっこいい」
この世界観に絶対合ってないけどかっこいい。
「その武器は強いですが、魔力の消費が激しいのですよ。」
なんか、つまりかっこいい武器なんだなってか魔法の概念がある。すげぇ使ってみたい。
「これ、どうやって使うか分かりますか。」
そう訪ねて俺は腰にかかっていた物を彼女の方へ差し出す。
それを受け取って彼女は
「これはまず、後ろの出っ張りを押すと起動するの。」
彼女が発言通りに後ろに出ている楕球形の出っ張りを中に押し込むと青い半透明な光の刃が現れる。
「すっすごぉい。何そのかっこいい刃。」
めっちゃかっこいい。俺もすぐに使いたい。
「この剣銃は今出てる刃を弾として飛ばせるの。」
何そのかっこいい機能。俺氏が思ってた拳銃じゃなくて剣銃って事かな。俺氏はやっとこの娘の剣銃って発言に気づけたよ。
「これはお返ししますね。」
剣銃の出っ張りをもう一度押すと元のいわゆるオフ状態に戻った。彼女はそれを俺氏に差し出す。俺はルンルン気分で受け取り、俺は出っ張りを押し込みオンにする。
俺は確かに握っていた右手から魔力が流れ込む感覚がわかった。
「さぁこい!ってあれれ、刃が出てこない。これってまさか使えない流れですか…。」
俺は悔しくて思わず右手をぎゅっと握った。
ピュンと音を立てて微量の光の弾が飛んでいき、目の前の女の子のスカートの留め具に命中。
スカートは女の子を離れてゲットダウン、そして、下着がご挨拶。
これは確信に展開が読めた。俺はこの娘に叫ばれ、平手打ちをくらい軽蔑されるだろう。
「…きゃっ。ふふ、拳銃にはなるみたいですね。威力はその、あれですが。」
彼女はそう言うとスカートを拾い上げ、留め具のないスカートを手で持っている。
俺は、今頑張ってダジャレ言ってたよね。なんて思いながらすかさず土下座の体制に移る。
「ごめんなさい」と言おうと頭を下げようとしたが、彼女は「大丈夫ですよ」と俺の謝罪に被せて返事をした。
俺氏はこの娘の優しさと、見えた白い物を絶対に忘れないよ。
※そして話は変わる。
「それはそうと、魔物と戦うのでしたらギルドに行ってみてはどうですか。ギルドに登録すれば聖水晶が貴方の適性戦闘スタイル等も教えて下さりますよ。」
なんか今になって、ゲームが始まった感覚がした。ギルドに行って冒険者登録をして、魔物を狩ってどんどん強くなって最後には魔王を倒す。
夢が膨らむぜ。
「行きたいんですが道が…、あはは…。」
そう、俺はここで目覚めてまだ1時間も経っていない。だから全く道を覚えていないのだ。
「それなら私が案内しますよ。けど、先に私の家に行って私が着替えてからにしてくださいね。」
この娘ニコニコしながら言ってくれるよ。かわいいよぉ優しいよぉ。もちろん俺氏はそれを断る理由もない。
「はい、お願いします。」
だが俺氏はここで俺氏の中で重要な事を忘れていた
「あ、忘れていましたが私、橘 日立って言います。日立って呼んでください。」
そう、名前聞くのを忘れていた。ただ優しさの恩恵を受けたくらいならば名前も聞かずにありがとうって言って別れただろうけど、武器の使い方について教えて貰いスカートを撃ち落とした時点でもう、縁ができているんだ。どうして気付かなかった俺氏よ。
「俺は、今宮 直人って言います。俺も直人でいいよ。」
だけどなぜか、橘 日立って名前をどこかで聞いたような気がする。
そんな事を考えているうちに日立は歩き始めていた。
「へぇ、直人さんですか。日本人の名前は久しぶりです。」
て事はここには日本名の人はほとんどいないんだな。まぁそりゃそうだよなぁ、だってここは異世界なんだからいなくて当然だよな。
※逆に何人かはいるんだな。
そんな事を考えたりしているうちに日立の家に着いていた。
「どうぞ、入ってください直人さん。」
女の人の家に入るのは何年ぶりだろう。多分小学生の時に友達の女の子と遊んでたぶりだろうな。
「では、奥で着替えて来るので待っていて下さい。」
そう言って日立は奥の部屋に入る。て事はこの奥で女の子が生着替え…。いやいや、そんな変な事考えるべきじゃないな。
俺は大人しく待っていることに成功した。
しばらく待ったら奥からかわいい、とてもかわいい日立が戻ってきた。
「お待たせしました。では行きましょうか。」
俺は「うん」と答えて外に出る。
続いて日立も外に出てきた。
日立は家の鍵を閉めて「こちらです」と歩き出す。
俺はついて行く、にしても橘日立って名前を俺はどこかで聞いたような気がしてしまう。どこで聞いてなぜ聞いたか、もしかして本当に世界を救ってこの娘と元の世界に戻るために俺はここに来たのかも…、なんちゃってそんな訳ないよな。有り得なくもない。
「ここに来たばかりですよね?多分泊まる所もないですね?ならうちに泊まりませんか?私も一人では少し寂しくて。」
まじで?こんなかわいい娘の家で生活出来るとか最高だ。
「え?まじそれはすげぇ嬉しい。」
俺氏は思わずそう答えた。この答えはおそらく、誰もが同じ答えを出したと思う。
そんなふうに俺は楽しく思いながら。日立がどう思ってるかは分からないけど、楽しい気分で歩いている時に日立が話す。
「ギルドに登録すると、四段階のランクに分けられます。下からブロンズ、シルバー、ゴールド、マスターです。ちなみにマスターは現在十人、ゴールドは百人ほど、シルバーとブロンズは多くて把握できていません。」
おそらく、このランクって言うので受けられる仕事があったり人に多く頼まれたりするだろう、早く最高ランクのマスターになるべきだな。
「頑張ってマスタークラスを目指したいな。どれだけ大変かは分からないけど。」
おそらく、魔王を倒せるのはこのマスタークラスだろう。それなら大変でもなるしかない。
「頑張って下さい直人さん。その武器を上手く使う事が出来ればゴールドクラスには上がれると思いますよ。」
そんなに凄い武器なのかこれは。いや、凄い武器だろう、事故とは言えど可愛い日立の…これ以上は想像したらだめだ。といえどもあの白い物は思い出せてしまう。
「そんなに詳しいって事は日立もギルドに登録してるの?」
もし、登録しているのなら初めは沢山聞きたいと思った。
「えぇ、冒険者登録していますよ。今はあまり冒険者としての活動を行っていませんが。」
つまり元冒険者って感じだな。聞くだけなら全然大丈夫。ありがとう日立。
「何クラスだったの?」
俺氏は気になったから、その興味本意に負けてしまった。こんな事は人に聞くべきではない。学校の成績にしても、成績はどうだったとあってまもない人に聞かれても抵抗があるだろう。
「クラスはですね。えぇとその…」
だめだ、日立が困ってる。別に無理矢理聞きたい訳もないしね。
「いや、言いたくないなら言わなくていいよ。」
気になるか気にならないかって言われたら気になるけど、人には言いたくない事も沢山ある。
「はい、またいつかという事で。」
それは楽しみだ。
とはいえ俺氏は何故かこの世界に馴染めているような気もする。
って馴染めているのは俺の今までの経験のお陰なのか、それとも日立も元々異世界にいたから…後者の方が確率が高いけど、前者ももちろんありえる。
※大きな建物が見えてきた。
多分あれがギルドだと思う。
かんだけれど。
「さて、ここがギルドですよ。」
やはりそうだった。俺氏のゲームセンスではギルドは他の建物よりも大きいって統計がある。
「じゃあ早速冒険者登録するよ。行ってくる。」
聞けば良いものを俺はなにも分からないままギルド内に突っ込んで行った。
奥には受付、確実にこの人から登録出来る。そんな気がするだけだけど。
※よし俺氏、冒険者になるぜ!。
「あの、すいません。」
俺は俯きながらコミュ障力を発揮している。
答えてくれる受付嬢。
「はい、ご依頼でしたらこちらの紙にお書き下さい。」
ちょっとまて、ギルドというのは冒険者の集う場所だよね。俺は完全に依頼人と思われてるし…俺はなんて言うか冒険者を目指すなって事を言いたいのか…。
「すいません冒険者になりたいんですけど。」
俺は言うべきことは言う。ただ最近は引きこもってたから人と話す事をしてなかっただけだ。
「あ、ぼっ冒険者登録でしたらこちらにあります聖水晶の方に手をかざしてください。」
俺氏が冒険者志願と思われもしなかったことは置いておいて、なんかいよいよ冒険物の始まりって感じがしてきた。
「もう少ししましたら、聖水晶が貴方の冒険者登録証を発行します。」
おぉ、興奮してきたぁ。もう少しで俺も冒険者。
魔物をバンバン狩って直ぐにマスタークラスに上がってやる。
「発行が終わりました、ご確認ください。」
俺氏嬉しい。最高の気分で冒険者登録証を手に取る。
冒険者No.3510289。クラスブロンズ。身体能力レベルB。クラス内序列2070位。全体序列35027位。バランス型冒険者適性。
「すげぇ、完璧なまでに詳しいないようじゃねぇかよ。」
さて、俺はこれから冒険開始だぜ。
「けど、ちょっとまて、けどこれどんどん数字変わってるんだけど。序列が上がったり下がったりもう3回位順位変わってるんだけど。」
なんて言うか凄い変動具合だな。
「その冒険者登録証は毎秒更新されます。人が死ねばその分順位が上がりますし他人が頑張れば順位も下がります。」
俺氏が思った事はおそらく、誰もが思ってしまう事だろう。
なんて言うか俺氏は今さっきまでルンルン気分だったけど。
※※こんなシビアな世界に生きていかなければならないんだな。※※