プロローグ「限定フィギュアよ、さようなら」
俺氏はとある事情があった。あって俺はニートでひきこもりとなってしまっている。
ひきこもりと言えども全く家から出ないタイプではなく、やりたいことがほとんど家にしかないから引きこもっている。
つまり、やりたいことが外にあれば俺氏は外に行くんだよ。つまりそれが理由で俺はニートなわけだ。
俺氏は現在、ゲームのイベントで家の近所の大きなホールへと向かっている。その理由は、限定フィギュアを手に入れること!。
これは俺氏が限定フィギュアを手に入れるためのお話だ…だったんだ。
「君…君の事だよ君。」
その美しい声は夏を楽しめずふてぶてしい様子で歩いていた俺に向けられていた。
「え?もしかして俺に話しかけてる?」
びっくりして咄嗟にでた言葉はそれだった。
「君、様子を見るににファンタジーもののRPGとか大好きそうだね。」
そんな事を聞かれた。その回答はもちろん『好き』だ。
「うん。」彼女の問にそう答えた。
「頑張って下さい。」何故かわからないその応援が耳に届いた直後に俺の足の裏の大地を踏む感覚は消え去り、視界がどんどん低くなり、目の前の女の子のスカートの中が覗けた。
「あ、しまパンか」と思った頃には俺の視界は完全に地の底へ落ち、周りは奇妙に光っている。
俺は地面の中がこんな光り輝く事などないと知っていた。
俺の身になにか不思議な出来事が起きていると、理解した時には俺の意識は薄れ、そして消えた。
ーー俺は限定フィギュアをゲットできなかったのだ。ーー