表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/25

第5話

ブックマークされている方、また評価までして下さった方、本当に感謝しかありません。ありがとうございます!

新庄さんとお話ししてからまた数日経ち、今日は奏多の誕生日だ。


はー、奏多にさよならしてからあんまりご飯が美味しくない。

食欲も落ちてしまい一週間ぐらいで3キロぐらい痩せてしまった。

友達や親からも顔色が悪いと心配されたし。


ふー、やっぱり奏多に会えないのって辛いなー。

奏多の笑顔がみたいなー。

自分から奏多にさよならしたのに目には涙が浮かぶ。


今日は奏多と西尾さんの婚約発表の日でもある。

たぶん奏多の誕生日のお祝いにパーティーを開いて、その場で発表なんだろうな。

二人の姿を想像しまた、凹んでしまう。

ここ数日はこの繰り返しだ。


凹んでいても、時間は待ってくれない。

私は重い足取りで大学構内を歩いていた。

すると、そこへ私を呼び止める声が聞こえる。


「美羽ちゃーん!」


あの声は楓ちゃん。この間の新庄さんとのお話し以来だ。


「ふー、やっと見つけた!」


どうやら楓ちゃんは私を探していたみたい。


「どうしたの?楓ちゃん。」


私は楓ちゃんの方へ体を向けた。

すると、楓ちゃんがビックリした顔をしている。


「美羽ちゃん、大丈夫?」


「ん、何が?」


「今にも倒れそうな顔色してるよ!あーもう、こんな美羽ちゃんをほっといて渋谷くんは何してるの!?」


楓ちゃんが珍しく怒っているみたい。

でも、奏多はもう関係ないんだけどな〜。

いちお楓ちゃんには言っておこうかな。


「楓ちゃん、あのね奏多は関係ないよ。だって私と奏多は別れたから…」

そう言うと楓ちゃんは変な顔をした。


「美羽ちゃん…、それはないよ。アノ渋谷君が美羽ちゃんと別れるわけないでしょう。」

楓ちゃんは可哀想な子を見るような目で私をみつめた。

え、そこでそんな反応返ってくるとは予想してないよ。


「でもね、一週間前にさよならしたんだよ、ホントに。」

私は再度楓ちゃんに説明した。


「それが本当なら今頃渋谷君は……ダメだ怖くて私には想像できないよ!」

なんか楓ちゃんがブルブル震え出した。

えっ、何。なんかあったの。


「それより楓ちゃん、私に用事があったんじゃないの?」


「そうそう、そうだよー。あのね、新庄さんがまた来てて、美羽ちゃんに話しがあるって。」


えー、ホントにまた来ちゃったの〜。

もう、奏多とは関係ないのに。


「でね、なんか急いでるからって、たまたま通りかかった私に声かけたみたい!私のこと知ってたんだよー。あの、新庄さんだよ。レアだよ!」


あっ、やっぱり楓ちゃんの中でも新庄さんはレアキャラなんだ。

楓ちゃんのテンションが上がっちゃってるよ。


「きっと渋谷君のことだよ。やっぱり渋谷君が美羽ちゃんのこと手放すなんてありえないもん。」


?何で楓ちゃんはそこまで言い切るのかな。

付き合っていたとはいえ、フリなのに。まあ、みんなはフリだったこと知らないからかな。


「楓ちゃんがそう言ってくれるのは有り難いけど、それはないよ。でも、とりあえず新庄さんをほっとくわけにはいかないから会ってくるね。」


そう言うと楓ちゃんはいってらっしゃいと笑顔で送り出してくれた。


はー。気が重いけどほっとけないよね。

校門前ってまたお姉さま方に囲まれてるんだろうな〜。

嫌だな〜。


と、考えているうちに校門前に辿りついた。

想像通りお姉さま方がハンターの目になってるよ。

あそこに行くのかな、私は。

もともと体調が悪いのに、この出来事で今にでも倒れそうであります。


そんなフラフラの私に気付いた新庄さんがこちらにやって来た。


「…美羽さま。」


今にでも倒れそうな私の顔を見て、新庄さんは顔をしかめた。


「新庄さん、この間のお話でもう会うことはないと思うのですが?」


私は、ちょっときつめに新庄さんに話しかけた。

だって、もう私に構わないでほしい。


「美羽さま、申し訳ありませんがこの後お付き合いください。」


疑問系ではなく、もう決定事項のようだ。

横暴ではないでしょうか。私はもう奏多の彼女でも何でもないのに。


「新庄さん。何度も言いますが、私は奏多とは別れたんですよ。もう関係ないはずです。」


「美羽さま、実は奏多さまが倒れました。美羽さまに会いたいとおっしゃっているのです。どうか私について来てください。」


えっ!か、奏多が!なんで…。私は…。


「お願いします!奏多さまに会ってください。」


新庄さんが私に頭を下げている。

で、でも………。あー、もう。やっぱり奏多が心配だ。


「わかりました。奏多のところに連れて行ってください!」

私は奏多にもう一度会うことに決めた。このまま何もしないなんて出来ないもん。


「ありがとうございます、美羽さま。」


こうして、私は新庄さんの運転する車に乗り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ