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しずめて

作者: 七伏祇園

文章の練習をしたかっただけです。


ファンタジーか、文学かで、迷いました。

 鈴を転がすような音が妙に耳障りで、耳を塞ごうとした所で目を覚ました。どうやら私は、今まで眠っていたらしい。しかも、背中から草の匂いと感触が伝わってくるということは、どうやら私は屋外で眠ったらしい。


 視界に入ったのは、穴だらけの緑だった。それが生い茂った木々達が重なり出来た草々のその隙間なのだと気付くのに、いくらかの時間を要してしまう。鳥がどこかで1羽、寂しそうに鳴いている。私を起こしたのはそいつのようだ。ふと、闇に慣れた瞼に木漏れ日がちくりと刺さって、その痛さに目を閉ざす。


 さっきまで眠っていたのと同じ体勢になったはいいのだが、そこではたと、そういえば私は、いつ眠ったのかと思い至る。起きた記憶はついさっきだが、眠りについた覚えが、これでもかというほどに空っぽなのだ。


 一番新しい記憶といえば、誰かの手を取り、何かから逃げているという記憶だ。どこがで見た映画のワンシーンを自分の記憶と勘違いしている可能性も非常に高いのたが、どうやら、私が手を取っている相手は私の恋人らしい。恋人の


 掌で光を遮りながら起き上がり、それからゆっくりと目を開ける。「ここはどこだ」と呟きながら辺りを見回して、愕然とした。落とした掌が硬い草むらで1度たけ跳ねて、気絶したように脱力する。


 端的に言うのであれば、世界が終わっていた。


 私が居る森の付近数十メートルを残し、そこから先は永遠のような闇が続いている。空からは陽光が燦々(さんさん)と降り注いでいるのだが、その光の舞い降りる場所がどこにも無い。どこまでもただ闇が落ちていく。


 私は立ち上がり、何かの名前を叫んだ。友の名か恋人の名か家族の名かは知らないが、とにかく思い浮かんだ順に沢山の名前を叫んだ。しかし、そこから動こうとは思わなかった。なにせ、数十メートル先には終わりがあるのだから。


 その終わりが、ゆっくりとこちらに近付いてきている。そこで私は思い出した。


 世界が巨大な何かに飲み込まれ、崩れていくという現象から、私は恋人と共に逃げていたのだ。そしてついには、その恋人を見捨てて、繋いでいた手を離して、1人でこの森へ来た。その後に、疲れはてて気を失ったのだ。


 世界の終わりは着々と近付くが、不思議と恐怖は無かった。音も無く迫る世界の終わりの中、ふと、鳥の声が消えた。あいつももう終わりに巻き込まれたようだ。


 どこへともなく落下していく大地。夢心地の静寂と、物を考える暇さえくれない孤独感の中で、自分の囁きだけが鼓膜に触れる。


「私は、何故」


 そしてついに、私もその終焉へと誘われた。

閲覧ありがとうございます。


多くは語りません。たたの練習用です。なんとなく投稿しただけてす。悪しからず。

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