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君の隣を先約します。  作者: ゆきうさぎ
<第5章>
26/83

お化けは光に弱いなんて誰が言った(1)

「あー、楽しかった!」


全部の花火を終えて、みんなでバーベキューの片づけをして。あとは水着を着替えて帰るだけ。そう思っていた矢先。


「みんないるかー?」


このイベントの幹事だろう男の子がみんながいることを確認する。解散するのだろうか、なんてことを考えていたけれど、どうやら甘かったようだ。


「夏といえばぁーーー?」


あ、これさっきもやったような。ていうか、帰れないじゃん。


「「「肝試しーーーー!!!」」」


きも、だめし…?


「その通りっ!最後の締めはやっぱり肝試しだろ!」


いや、普通最後の締めは花火でしょ!?なんで肝試しなの!?


「やっぱり肝試しするんだー。さっきあるって聞いたけど。花火したからもうないと思ってた」


ほらほらぁ!横も花火は最後の締めだって思ってるじゃんかぁ!もうやだぁ!


「さ、くじ引いて!」


げ。

心で悲鳴をあげながらも、くじはどんどん近づいてくる。


「はい、雪瀬」

「うぅ‥絶対やんなきゃだめ?」


もう泣きそうなんだけど。


「(可愛いなー‥)///‥だめ、かな。偶数だからみんな参加しないと奇数で誰かひとりになっちゃうから」


うぅ。やっぱりひかなきゃだめなんだ。

私は嫌々ながら袋に入ったくじの紙を引く。四つ折りにされた小さな紙を指で触りながら、小さなため息が出た。くじが入った袋を持った男の子は次の人にくじを配っている。

あーもー、涙目なんだけど。


「なに、肝試しとか怖いの?」

「うるさいな」

「答えになってないし。意外だな、雪瀬が怖いなんて。肝試しとかそんな子供の遊びじゃんとか言ってそうなのに」

「なにそのイメージ」


肝試しに子供の遊びなんていうカテゴリーないし。


「心配すんなって。雪瀬のことならみんな喜んで一緒に行ってくれるだろ」


時村はなんだかたのしそうに言った。絶対私で遊んでるよね。あわよくば怖がってるとこ、写真にでもおさめたいんじゃないだろうか。

私はやけになって、手にしていたチューハイをいっきに飲んだ。

…あ、やば、飲みすぎたかも。

少しだけ、胸が焼ける感じがして、頭がくらりとした。それだけだから、別に歩けないわけじゃないし、完全に酔いが回っているわけでもないから、頭がくらくらするけどみんなが集まる場所まで行く。


「直、なんだった?」

「えーと‥f」

「あ、はずれ」

「はずれってどうやったらわかんの?」

「ん?単純におんなじアルファベットかどうかってだけだよ。男女に比が合わないからって、深山、男女混合でくじ作ったんだって。だから女の子同士っていうペアもあるみたい」


肝試しの醍醐味どこ行った?肝試しって男女ペアになるから面白いんじゃないの?


「ほんと、ばか深山。なんでこんなくじ作るかな」


奈津子は「もう」とか言って口をとがらせている。ちらりと見た奈津子の紙にはcと書かれていて、どうやら同じcの紙を持った人を探しているようだった。


「ねぇ、c誰か知らない?」

「「え」」

「‥な、なに」

「美弥、c?」

「そうだけど?」

「やったぁ!私と一緒だ!よかったぁ、私の知ってる人で!しゃべったことない人だったらどうしようって思ってたから安心したぁ」

「私も安心したぁ。変な男とかだったらどうしようとか思ったけど。直は?誰とペアなの?」

「さぁ‥まだわかんない。fって誰かわかる?」

「あ、さっき誰か探してたなぁ‥誰だったかな。私も自分のペア見つけるのに必死だったからちょっと覚えてないかも」

「そっかぁ。誰だろう‥深田さん以外だったら誰でもいいや」


縦巻きガールと一緒になったらほんとに最悪だな。肝試しのあいだずっと罵られそう。花火の時、すっごい視線感じたし。つーかずっと睨んでたし。


「愛美は違うよ。愛美、時村君とだもん」

「え、そうなの?」

「みたいだよ?さっきよろしくねって鼻にかかるような声出してぶりぶりしながら時村君の隣にいたもん。ほんと、ブサイクなんだから余計ブサイクになるようなことしなきゃいいのにね」


おおい。なんか余計なブラックな言葉が漏れてきてますけど!?


「本当にね。どうせくじだって仕組んだんじゃない?あんなにうまく時村君と組めるなんてありえないもん」


えっと、奈津子さん?ふわっとしてて女の子らしい子じゃなかったかな?なーんでそんなに美弥みたいにブラックなの?今の2人、すっごく怖い。


「fって直ちゃん?」


後ろから声をかけられて、振り返ると、今日ここに来るときに話しかけてきた男子が立っていた。話しかけてきたときは、苗字で呼んでいたのに、今はなぜか名前で呼ばれた。しかもちゃん付き。なんだか寒気がした。


「えっと、まぁ、はい」


いいえ、違いますと言ってしまいたいけど、いいえと言ったところで、偶数なんだからペアを作っていってしまえば自然とばれてしまう。


「よろしくね。直ちゃんと組めるなんて俺ラッキーだな」


私はあんたと組んでアンラッキーだけどね。なんか身の危険を感じたし。

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