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三題噺もどき5

風と子供

作者: 狐彪
掲載日:2026/04/27

三題噺もどき―はっぴゃくろくじゅうさん。

 




 外はごうごうと風が吹いている。

 台風でも来ているのかと思うが、そんなこともなく。

 ただただ風が強いだけ。

 校舎の裏には山がそびえているから、そのせいもあるんだろう。

「……」

 校舎沿いに植えられた木が、風の勢いのままになびいている。

 あわよくば倒れてしまうのではと勘違いしてしまう。

 そんなことはないのに。

 ここらは時期になればそれなりに台風が来る。それに耐えて毎年桜を咲かせているのだから、この程度じゃ折れたりするわけがない。

「……」

 けれど、そういえば。

 私が小1から小4まで通っていた古くからある小学校の、大きな銀杏の木は折れたと聞いた。台風ではなくて、雷か何かだと言っていた気もするが……。詳しいことは分からない。

 気付けば、巨大な銀杏の木はなくなっていた。

「……」

 別に思い出があるわけじゃない。

 多分、小6まであの小学校に通っていた人は、その下にタイムカプセルとかを埋めているだろうから、何かしら思う所はあるかもしれないが。

 生憎私は、小6の頃はそもそもこの地域にすらいなかったので。

「……」

 ただあの銀杏の木の下は、銀杏の匂いが凄かった記憶しかない。

 アレを食べる人が居るんだから、人間というのは食に貪欲すぎる気がする。

 どうしたらあんな匂いのするものを食べようと思うんだろう。

「……」

 そういえば、すぐそこにある公園にも銀杏の木が立っている。

 秋になれば、黄色く色づき、その木の下は銀杏の実がたくさん落ちている。

 そのすぐ下にブランコがあるんだけど、その時期はあまり漕いでる人見たことがない。

「……」

 視界の先には、その小さな公園がある。

 事業中ではあるんだけど、この授業はただひたすらに教師がしゃべるだけだから、何かしていないと眠くなってくるのだ。

「……」

 ぼうっと、外を眺めていても、何も言われることはない。

 教師は良くも悪くも、授業に集中しているらしいので。

 大事な受験の時期である高3の授業がこれでいいのかと思うが、変に充てられたり教科書を読まされたりするよりはましだと思う。

 気分的に。

「……」

 それに今日も、少々頭が痛いのだ。

 どうにも、天気予報を見た限りまだまだ微妙な天気が続くのだと。

 今だって空はうっすらと曇っている。青空は見えない。

 風が強くて、こう晴れてもいないとなると、外は少々寒そうだ。

「……」

 その中でも、公園で遊んでいる親子がいた。

 子供ってどれだけ体力があるのだろうと不思議に思うくらい動き回る。

 今はブランコに揺られて大人しくしているようだけど、ついさっきまで小さな公園を駆け回っていた。

「……」

 それに付き合わされる親は大変そうだ。

 過去に私にもああいう時期があったんだろうけど、と言うか、今も大人から見れば子供だろうけど……あんなに体力はない。

 ホントに元気が過ぎるな。

「……」

 それにしてもあの母親は凄いおしゃれと言うか……動き易そうなのにおしゃれな格好ってすごいと思うのだが。あまりファッションというモノに興味がないのでいかがなものなのかは分からないのだけど。

「……」

 パンツスタイルで、スニーカーのようなモノを履いているのに。

 それに、あのサイズの……ここからも見えるような派手な色合いの大きなピアスをつけて、子供を追いかけまわしている。それも楽しそうに。

 あんな明るい母親に育てられた子はさぞかしいい子になるんだろうな。

「……」

 曇り空なんて気にしないように、楽し気にはしゃいでいる親子を眺め。

 ぼうっと。

 あの子も、子供の頃はあんな風だったのかなぁ……と考え始める。今ほど髪は長くなかったんだろう。それでも長い髪を結んで、ブランコに揺られてジャングルジムを昇って雲梯をやってみてり鉄棒をやってみたり。

「……」

 やめよ。











 お題:ピアス・ブランコ・タイムカプセル

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