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ダン・ジョン  作者: つー
4/4

第2階層 ーチュートリアルー

修正するかもしれません。

「っと。」


今回は気絶しなかったな。

いや、まあそれはいいんだけどさ。

なんで空中にほっぽり出されてんの?

ちょっと雑すぎない?


「ま、師匠に鍛えられて俺ならこの程度…!」


地面に落下するタイミングと合わせて…。


「【向日葵】」


すると、体がフワッと浮いてそっと着地する。


「よし、絶好調だな!」


辺りに広がる草原を見ながら俺はそう言った。


この様子を見るにこれは師匠の予想が当たっているな。

師匠の予想では、このダンジョンは一層ごとに違う世界に繋がっているのではないかと話していた。

1層目の師匠の異世界は最終的に滅んだのではとも話していた。

だから師匠の階層はダンジョンとして別の場所が用意されていた。

そして今回の飛ばされた世界は滅んでいないからこんな平和な草原に飛ばされたのだと。


うん、むずかしー。


とりあえず言語が通じそうな生き物を探しに行くか。


◇◆◇


「ん?あれは…。」


民家らしきものを発見!

中心にクソでかい樹があるな。


「よっと!」


国に入る前に一旦羽とか見られて警戒されないように地面に降りておく。

しかし、不思議な国だな。

建物はすべて…大きな葉?らしきものをに囲まれてできている。

おそらく国の中心地にあるクソでかい樹の葉だな。

しかし中心の樹デカすぎだろ。

なんか光ってるし。


ま、とりあえず国に入るか。


◇◆◇


「すみませーん、部屋とりたいんすけどー…」


「ああ、すまない。ちょっと待っててね。」


そういうと宿屋の店主はカウンターの奥の部屋から顔を出した。


「何日分とりたいんだい?」


「んー、とりあえず一週間かな。」


「わかった。一週間っと…よし、じゃあ左の建物の2階の部屋の鍵だ。」


「どーもー。」


「それと、左の建物には食堂があるから良かったら食べてってくれ。」


「あ、ほんとっすか。ありがとうござます。」


そう言って俺は左の建物に向かう。

あの人いい人だったな。


「ここかな。」


左に歩いていった俺は建物の扉を開ける。


「いらっしゃいませー…あっ、宿泊者さんでしたか!」


食堂…俺の想像よりもお店っぽかったな。

てゆーかこれ普通に店だろ。


「そこの階段から行っていいんすか?」


「どーぞー!後で是非ここで食べてってくださいねー!」


「どーもー。」


そうして階段を上がる。


「204…ここか。」


なんだがこういう宿泊地で泊まると旅をしている感じがしてくるな。

テンション上がってくる。


「今日は一旦街の様子でも見に散歩でもするか。」


そうして俺は外に出た。


◇◆◇


いろんなところを歩いてみたがやっぱりコンクリートを使われた建物はなかった。

全て木…らしきもので作られている。

そして国の中心にあるクソでかい樹は世界樹と呼ばれているらしい。

なんでも、世界を維持するためのものだとか。

ちょっと難しくて何言ってるかわかんない。


他にもいろいろ特徴はあったけどやはりこの国を一言で表すなら『植物の国』ということだった。

植物を糧に自分達は生きているから植物への感謝を忘れてはならないという理念の元、栽培していい植物などは個数が決められていて植物を植えるにも栽培するにも管理局という場所に許可をもらってかららしい。

しっかりしてるな。


ただ、この街で生きていく上で一つ問題がある。

それは金だ。

当然ゼロなのでどうにもならない。

そんな時、俺の目に入った張り紙に書いてあったのは…。


【モンスターハンター募集中!短期間で高収入!】


なんか怪しそうな張り紙だなとは思ったが他にすぐに採用してもらえそうなところはなかったのでいくことにした。

ちなみに宿は自分が宿から発つ時に払えばいいらしい。

つまり今解決すべき問題は1週間後の飯。

多少は師匠のところからもってきたけどやっぱり持って1週間。

そんなわけで、俺はモンスターハンター……いわゆるモ●ハンにお邪魔することになった。


◇◆◇


「新人で入りました!エレボスと申します!」


「ああ。今はとにかく人手不足だったから本当に来てくれてありがとう。早速だが、君は何ができる?」


「殴る蹴る斬る。」


「……なるほど……。」


おい。

なんでそんな「そういうの間に合ってんだよな…」みたいな顔すんだよ。

やめてよ!傷つく!


「…まあ、実戦で見ればわかるだろう。」


気まずい空気が流れてるところを新しく部屋に入ってきた人が言った。


「リーダー!」


「君が新人だろう?私はモンスターハンターのこのチームのリーダーをやらせてもらっているベルナードだ。よろしく頼む。」


「あ、よろしくお願いします。」


「早速だが今ちょうどモンスターからの被害通報があってな。出動するぞ。」


「了解っす。」


「了解です、リーダー。ちなみに他のメンバーは?」


「もう準備が完了している。君たちも準備が完了次第表で合流し行くぞ。急げ。」


「「はい!」」


◇◆◇


このチームは俺含めて5人で構成されていたらしく、リーダーとサブリーダー以外に2人の隊員が一緒に戦うことになった。

それにしてもここの世界の人は不思議な力を使うな。

武器から電気とか水とか出てくる。

カッケェ。つかいてぇ。

なーんて思いながら戦い終えたら新人祝いにみんなで飲み会する流れになった。


「それじゃ、新人が入ってきてくれたことにーーかんぱーい!」


「「「「かんぱーい!」」」」


このチームのメンバーの1人…リサという先輩からの掛け声で飲み会は開かれた。


「いやぁ、ほんっとーに人手不足だったからたすかったよぉ!相変わらず紅一点なのは解せないけど…。」


「仕方がねぇじゃねぇかよ。女の戦士なんてそんないるモンじゃねぇ。」


そして最後の1人のメンバーであるジン先輩が言い放った。

俺のいた世界では女性の差別が嫌われていたがこのではこれが常識らしい。


「しっかしよぉ、やっぱ今日はエレのおかげでだいぶ楽に仕事できたよなぁ。お前、想像以上に強くて驚いたぜ。」


「あざーっす。」


「しかも、あれで【特性】使ってねぇんだろ?やっぱエグいよなぁ。」


「【特性】?」


「アア。ん?しらねぇわけじゃねぇだろぉ?」


「え」


「え」


「「「え?」」」


「…えとー…、常識みたいな感じっすか?」


「常識っつーか…お前今までどうやって戦ってき…ああ、素で強いのか。いやだからと言ってしらねぇわけねぇだろ!」


「…その【特性】ってのはなんなんですか?」


「それの説明は私からしよう。」


そう、リーダーが割り込んできた。


「【特性】というのは真力を通して使用する個人個人の能力だ。私だったら【俊敏】を使える。」


「私は【探知】だから完全にサポートだよ!」


「ああ、だから後ろからの攻撃とかにも1番最初に反応してたんですね。流石です。」


「えへへ、ありがとー」


「それでその【特性】は生まれながらにみんな使えるんですか?」


「いや、世界樹から授かるんだ。毎年年末には【特性】を授かる祭りである『収穫祭』があってそこで列に並んだ者達は順番に授かることができる。うまく使えるかは本人次第だけどな。」


「なるほど。ん?年末ってことは…明日やるんですか?」


「ああ、明日の早朝からだ。」


「それってめっちゃ混み合いますかね?」


「いや、優れた能力ほど授かるのに時間がかかるがそんな者滅多にいないからな。そう時間はかかるまい。明日のモンスターを狩る時間は午後からだし行ってみるといい。」


「そうですね、行ってみます。」


「ククッ、エレは元々強いからもしかしたらとんでもなく強い【特性】を授かってくるかもなァ。」


「ほんとだね!」


「…というのは罠で実はしょぼかったらちょっとがっかりですけどね。」


「元が強いから問題ねぇよ。」


「我々はどんな能力でも歓迎するからな。」


「ありがとうございます。」


そうして、夜は明けて行った。


◇◆◇


早朝。

俺は収穫祭の列に並んでいた。

しかし、リーダーが言ってたように本当に授かるのは一瞬なんだな。

そりゃ時間もかからないわけだ。


並んで10分ほどした時に俺の番が回ってきた。


「では、ここに膝をつけて。」


「はい。」


収穫祭の案内をしている人に指示されるがままに俺は膝をつけ、目を閉じた。


「目を開けて。」


そう、別の声がした。

目を開けるとそこには別世界が広がっていた。

白い空間。

そして目の前には女がいた。

美人だな。


「やあ。はじめましてだね。」


威厳を感じる見た目とは裏腹の軽い口調で、その女は話しかけてきた。


「…誰だ?」


「そうだね、まずは自己紹介を。私はこの世界の管理者。レアーだ。そうだな。君たちの言うところで言う神ってやつだ。」


「…なるほど、そうか。」


「飲み込みが早いね。」


「そりゃいきなりこんな場所に送り込まれたんだ。信じるしかないだろう。」


「うん、それもそうだね。君は実に聡明なようだ。話がテンポよく進むよ。」


「それで、俺をここに送った理由は?」


「なに、少し話がしたくてね。」


そういうと神と名乗ったその女…レアーは突然現れた椅子に座り、どこからか机ともう一つの椅子を用意した。


「さ、座りたまえ。」


「それも俺をここに送った能力か?」


「ま、そうだね。しかし、君が本当に今聞かなきゃならない話は私の能力なんかじゃないはずだ。」


「?」


「私が君が今置かれている状況…すなわち君が攻略中のダンジョンについて、知っていることを話してあげよう。」


「!」


「とは言っても私が知っているのもほんの一部なのかもしれないが、まあ君よりかは知っているはずだ。まず、ダンジョンにおける私の役割なんだが…まあいわゆるチュートリアルというやつだ。」


「ちゅーとりある?」


「ああそうさ。いわゆる今は説明段階。君も第一階層では真力の扱い方を習得しただろう?私の友達が設置した自慢の剣士によって鍛えられたはずだ。」


「師匠のことか。」


「うん、そうだね。その君の言う師匠というやつが第一段階。素質のあるものはそこに送られるけどないものはそもそも第一階層なんか飛ばされずに第百階層に飛ばされて死ぬ。そして素質のあるものが鍛え終えて第二段階…とはいってももう第二段階で終わりなんだけど第二段階で私が君に【特性】を与えてチュートリアルは終わる。君はこれから飛ばされる世界で終わりかけた世界を救うんだ。」


「この世界はそんな終わりかけの世界には見えないぞ?」


「そりゃあ、ま、これからだよ。」


「…それで、それを俺がやって世界を救っていったとしてお前…いや、口調的にお前らか?お前ら神々は何が目的なんだよ。」


「いやなに。ちょっと大きめの娯楽だよ。」


「娯楽?」


「ああ、そうさ。これから私たちの世界には異物が混入していく。ま、私の世界はそんなのないけど。それをどうやって乗り越えていくかみんな楽しみに観てるんだ。いわゆる映画だ。ある世界ではドラマとも呼んでいたかな。movieとも呼ばれていたかなぁ。まあ、そんなとこだ。」


「じゃあ、俺はこれから世界を救っていけばいいんだな。」


「そうだけど…もっと反発されるかと思ってた。神の手のひらで踊らされるのがいやだーみたいな。」


「別に、俺がダンジョンを攻略しようと思った理由はただ冒険がしたかっただけだ。俺が冒険をする過程で世界を救うっていうだけなら別にどうってことない。それより俺が授かった【特性】の説明が聞きたい。」


「そうか…なるほど。ふふっ、やっぱり君は面白いね。ああ、それで【特性】の説明だよね。君の【特性】はね、【炎】と【ゲート】だよ。」


「【炎】は…まあ想像できるが【ゲート】っていうのは?」


「まあ、そうだね…私のこのワープさせる能力を劣化させたものだ。君がトリガーとした行動をするとゲート…つまり、その空間に亀裂ができる。そこともう一つ亀裂を作ると亀裂から亀裂に移動できるんだ。亀裂がなんこ作れるかは君次第だけど。」


「なるほど…うまく使えば便利そうだな。」


「うん。あと聞きたいことはあるかい?」


「いや、もうない。いろいろと教えてくれてありがとう。」


「いやいや、それが私の役割だからね。あ、そうだ。最後にサインでもくれないかい?これから世界を救って行って英雄になるだろうからね。」


「いやあんた神だろ。」


「ハハっ、確かにそうだね。じゃ、次会う時はきっとものすごく強くなってるだろうから楽しみにしてるね。バイバーイ。」


「ああ、じゃあな。」


◇◆◇


「ん、戻ったか。」


目を開けると、世界樹の前にいた。


「完了しましたか?それでは、良い使い方を。」


そう言われ、俺は世界樹のそばから離れた。

あの人の反応を見るにおそらく俺がレアーと話した時間は現実世界に反映されてない。

やってることが人間離れしてるな。


そこで、ピキっと音がした。


俺が歩き出そうとした瞬間、空が割れた。


◇◆◇


「モンスターハンターは各チーム動ける者を集めてモンスターの対応にあたれ!救護班は怪我人の手当てを!事務の者は民間の者の避難誘導をしろ!」


「リーダー!」


「ジンか。どうした。」


「モンスター達を先導しているものが出てきた!他のチームのモンスターハンターが対応しているっちゃいるが歯が立たねぇ!」


「では俺が出向く。ジンはここで俺の代わりに指示を出していてくれ。」


「リーダー…。」


「俺でも歯が立たなかった時のために応援も呼んでくれていると助かる。」


そういうとリーダー…グリードは【俊敏】を使用して現場に向かった。


「リーダー…気をつけろよォ…。」


直後、エレボスがジンのところに追いついた。


「ジン先輩!その怪我…というか今行ったのってリーダーですよね!」


「ああ!お前は…」


街を襲っているモンスターを狩れと指示を出そうとして止まった。

コイツは【特性】を授かってきたと言っていた。

元から強いコイツならモンスター達を使役してたあの化け物にも対抗できるかもしれない。

ただこれが判断ミスでコイツが死んだりしたら…。

でもこれを実行しないでリーダーが死んだら…。

いや落ち着け!

コイツは【特性】を授かったばっかなんだ。

真力だけの戦力といったん考えろ!

だからリーダーは…。


「…モンスターを狩りつつ中心地に向かってくれ…。リーダーを…」


ああ、違う。

新人にやらせることじゃねぇ。

でも、リーダーじゃ多分あの化け物には勝てない。

死んでほしくないんだ。

だから…!


「リーダーっ…助けてくれ、!」


「!…わかりました。」


そういうと、エレは駆け出して行った。


◇◆◇


(なるほど、歯が立たないわけだ。)


戦闘の最中、グリードはそう思った。

今黒い炎を操るこの男は自身が使役しているモンスターの【特性】を使えるらしい。

同時に3つまでなら最低でも使えるだろう。

その上そもそもの体の作りが違う。

おそらく種族として超えられない壁がある。

身体能力が違いすぎる。

まだ【特性】の扱い方が未熟だがそれでも勝てる相手ではない。

今までなんとか【俊敏】で凌いできたがこのままだとジリ貧で負ける。


「俺にも欲しいなぁ。その【特性】。おそらく早く動けるようになるものだろうがなぁ。なるほどなぁ。シンプルで良いものだなぁ。」


「この、化け物が…!」


「ククッ、ああ、貴様ら神に従うゴミどもをいたぶることがやめられないっ!ああ!お前も!ここに住んでいる者も!街も!世界樹も!全て壊したい!」


「グッ…!」


グリードがここで死ぬと今までなんとか維持してきた防衛線が崩れる。

そうなれば本当に全滅だ。


「ここで下がるわけには…!」


「あーいいよ。そういうの。」


そういうと化け物はグリードを蹴り飛ばした。


「ガッ…!」


「あのさぁ、さっきからお前らは俺のこと化け物化け物っていうけどさぁ!俺にもちゃんと『強欲』っていう名前があるからさぁ!名前で呼んでくれよ!」


そういうと強欲と名乗ったその化け物は黒い炎の塊を作り出す。


「バイバイ。」


そういうと、強欲はこちらに黒い炎の塊を打ってきた。


(ここまでか…。)


刹那、グリードの頭に浮かんだのは謝罪だった。

この生まれ育った街に恩を返すために必死に戦ってきたが自分の力では及ばず敗北してしまった。

仲間も守れず、街も守れず、世界樹も守れない。


情けない。


(すまない…。)


そこで割り込んできた希望の光…いや、希望の炎は赤かった。

その後ろ姿を見て、グリードは安心した。

その背中は、なぜか安心できるものだった。


◇◆◇


「リーダー…。」


俺はボロボロになったリーダーを見て、絶句した。

短い付き合いだが俺は怒りを覚えた。


「んんー?誰かなぁ?邪魔をさぁ…しないで欲しいなぁ!」


「情緒不安定すぎるやろ。」


俺は隅にリーダーを寝かせる。


「お前がこの襲撃の主犯だな。」


「俺はぁ…強欲だぁ!」


「聞いてねぇよ。」


ダメだ。

知能が低いのか会話が成り立たない。

コイツ自己主張強すぎだろ。


「【黒ッ煙】!」


いきなり技を打ってきた。


「いきなりだなっ!」


俺は攻撃を刀で受け流し、そのまま蹴りを入れた。


「フンッ!」


強欲を吹き飛ばしたが大したダメージは見られない。


やっぱり、使うしかないか。


これは師匠が最後に教えてくれた最難関の技。


普段の真力の使えるキャパを絞ることで技を発動した時自身の全てのステータスが上がる。


「【夢見桜】」


地面に葉の紋様が浮き上がる。


「【杜若】」


「【黒煙】!」


同じ技を八つ裂きにする。


「【黒煙】!」


「またかよ。」


そう言って俺はカウンターを狙う。


「【空木】」


「フグッ…。」


俺の刀が強欲を貫いた。


「さっきから同じ技ばっかだな。それしか使えないのか?」


「ッるっさいなぁ!」


そういうと蹴りを入れてきた。


「うおっ!」


俺は咄嗟に下がり刀を構える。

正直、コイツの真力はすごい。

というか【特性】もぶっ壊れだ。

使役した相手の能力が使える?

マジで言ってんのか。


だが、コイツは未熟だ。

俺だってまともに食らったらダメージが入るが受け流すか避けるのも簡単だ。

強欲は戦闘経験が明らかに足りていない。

今、ここで仕留めた方がいい。


「【秋桜】」


そう言って俺がトドメを刺そうとした時、割れた空から攻撃が来た。


「!」


俺は咄嗟に避けた。

いや、避けたと思った。

しかし、攻撃は当たっていた。


「んだこれ…!」


腹が軽く裂けたがそれはいい。

軽傷だ。

だが頭がクラクラする。

視界が揺れる。


「!…オイ!色欲!邪魔するな!」


「邪魔じゃないでしょう。あなた今死にそうだったじゃない。」


そういうと色欲と呼ばれたその女は強欲を引っ張る。


「おい!帰る気か!まだ何も壊せてない!壊したい!壊せない!やめろ!」


「何言ってるの。そんなのが目的じゃないでしょう。」


そういうと空間に新たな割れ目ができた。


「あら、【嫉妬】も気がきくじゃない。」


そういうと、割れ目に入ろうとして…。


「グッ…待て!お前…お前らはなんなんだ!ここまでの大規模な襲撃をして何がしたい!」


大掛かりなくせにあっさりと引きすぎだ。

明らかにおかしい。


「別に答える義理はないのですけど…ああ、自己紹介ぐらいはいいですよ。私は色欲。大罪人という組織の幹部をしています。この強欲もゆくゆくは私ぐらい強くなる予定です。では。」


「待っ…!」


色欲と強欲は去って行った。


「くそッ…!」


俺は重い体を引きずりながらリーダーの近くに行く。


「リー…ダー…!」


そこで、俺の意識は途絶えた。


◇◆◇


あの後主犯の強欲が去ったことで襲撃は終わり、俺とリーダーはモンスターハンターによって保護された。

俺は3日ほどした時に目が覚めた。

別に重症を負っていたわけではないが色欲の攻撃が意識を錯乱させるものだったことが原因らしい。


ただ、1番の驚きは宿に戻ったら自分の借りていた部屋に渦ができていた。

次の階層に行くものだ。


いきなり行くのもなんなので、モンスターハンターのメンバーに挨拶しに行った。


「…そうか。モンスターハンターを辞めて旅に出るか。」


「はい。まあ、元々そういう目的だったんですけど今がちょうどいいと思って。」


「危機は去ったしな。」


「はい、最後に挨拶だけしようと思って。」


「…先にお礼を言わせてくれ。私を命の危機から救ったのはエレだろう?」


「いや、結局負けちゃいましたし。」


「それはお互い様だ。それに君は強欲に勝っていたんだろう?なら十分だ。」


「そうなんですかね…。」


「ああ。とにかく、私はお礼を言いたかったんだ。ありがとう。」


「いや、ほんとにいいですって。あ、でも他のメンバーってどこにいますか?」


奥から出てきた副リーダーが言った。


「それなら、訓練場にいるぞ。」


「副リーダー!」


「エレ君…君たちが危ない時僕は何もできなかった。それを謝りたかったんだ。すまない。」


「いやほんとに大丈夫ですって!今こうして生きてるしそれぞれのできることを精一杯やってこの結果だったんです。仕方ないです。」


「そう言ってもらえると助かる。」


「はい、だからほんとに気にしないでください。」


「ああ、ありがとう。」


◇◆◇


訓練場にて。


「エレくーーーーん!」


「エレ!」


俺が訓練場に入るとリサ先輩とジン先輩が迎えてくれた。

そして俺がこれから旅に出ることを言った。


「そうか…気をつけて行けよォ。」


「うんうん!今回みたいに無茶しないでね!」


「無茶…したわけじゃないけどまあ、気をつけます。」


「俺もお前がいない間に強くなってお前に追いつくからなァ。」


「…じゃあ、ライバルですね。」


「まだ全然足りないけどなァ。」


「私も強くなるよ!」


「ハハッ、心強い。俺がいなくても全然大丈夫そうですね。」


思ったより2人が元気そうでよかった。


「それじゃあ、2人とも元気で。」


「うん!」


「ああ、お前も風邪ェ引くんじゃねぇぞ。」


こうして、2人とも別れた。


◇◆◇


「じゃあ、行くか。」


食料など諸々のものを揃えた俺は刀を腰に身につけて渦に飛び込んだ。

これからが楽しみだ。

補足


【ゲート】はいつでも使えますけどゲートの使用に必要な亀裂は夢見桜を発動しないと使用不可です。

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