うなぎちゃんとカチューシャ14
何本もの鰻触手が私に向かって襲いかかる。
剣術なんて習った事はないが、昔お兄ちゃんの鰻修行に連れていってもらった事がある。
鰻のお師匠さんが居て、お父さんもその人に鰻の事を教わっていた。
そのお師匠さんが鰻修行の一環として、剣術をお兄ちゃんに教えていた事を思い出す。
正式に習った訳でもないが、自然と体が動いて襲いかかる鰻触手を素早く斬り飛ばす。
シュパァァァン!
ヒロちゃんの持っていた鰻侍のイメージなのか、私のかつて見た剣術の思い出なのかはわからないが、不思議と体が刀の使い方を理解していた。
「凄い……」
鋭い剣術により鰻触手と土煙が吹き飛ばされ、その様子を見ていた文花ちゃんが驚く。
「文花ちゃん、嬢子ちゃん!」
私はこちらを見て驚いていた二人に向かって叫ぶ。
「一緒にヒロちゃんを助けよう!」
そう言って私は刀を構える。
「ぇ、みうなちゃんが!?戦うの?」
動揺している文花ちゃんに向かって嬢子ちゃんが
話しかける。
「助けたいって気持ちは、何者にも勝るわよ」
「それに」
「あの斬撃、文花の言っていた相性のいい攻撃でしょ」
嬢子ちゃんは文花ちゃんに向かってニヤリと微笑む。
「相変わらずアドリブ戦術の適応力高過ぎだよ、嬢子ちゃんは」
文花ちゃんは少し呆れた顔をしつつも、嬢子ちゃんを信頼している口振りで話した。
斬撃で切られた鰻触手が、ウネウネと伸びて復活する。
だが、直ぐに攻撃に移らず警戒している様子だ。
「さぁ!反撃に移るわよ!」
嬢子ちゃんが嬉しそうに叫ぶ。
と同時に私と文花ちゃん、嬢子ちゃんが一斉に鰻粘液の本体へと向かって走り出す。
それに気付いた粘液の塊は、鰻触手の先端を三角おにぎりに変化させて私達に放り投げて来た。
「また、爆弾おにぎりを」
それを見て文花ちゃんが呟く。
「私に任せなさい!」
嬢子ちゃんが素早く足を止め、右手を前に突き出して構える。
「螺旋快弾 !」
嬢子ちゃんの周りに大量の小型ドリルが錬成され、勢い良く発射される。
ドドドドドドドドォッっ!
飛んできた爆弾おにぎりは、私達に届く前に嬢子ちゃんが発射した大量の小型ドリルによって迎撃された。
おにぎりとドリルの爆発により、激しい煙が周囲を包む。
ファサァァッ!
その煙を私と文花ちゃんは振り払い、粘液の塊へと向かって走り続ける。




