うなぎちゃんとカチューシャ9
「ならば、解呪してあげます!」
摩夜さんが組んだ印が淡く光り、その手をうな重に向かって重ね合わせるように突き出した。
「じぇじぇじぇ~!」
うな重が淡い光に包まれると同時に、うな重が叫び声を上げる。
ズバァアアァッ!
より一層光り輝いたかと思うと、激しい衝撃音と共に摩夜さんが吹き飛ばされる。
「ぇ、何?この呪い。信じられない程の想いの力が込められている?」
「まるで特級呪具」
弾き飛ばされた摩夜さんだが、姿勢を立て直し光り輝くカチューシャの方を向く。
「どうなっているのこれ?」
嬢子ちゃんが状況を理解できずに文花ちゃんに問いかける。
「ぁ、いや私にもどういうことか」
文花ちゃんも目の前の状況が把握出来ないで居る。
「うな重は大丈夫なの?」
うな重を心配し、みうなちゃんは叫ぶ。
そんなみうなをカワイイなと見つめている私に皆が叫ぶ。
「危ない!ヒロ ちゃん!」
「ぇ?」
その声に反応して振り向くと、光り輝くうな重が私に向かって飛んできていた。
「ぇえぇえ!?」
当然、避ける間もなく光るうな重が私に衝突した。
ズガァアァァァアン!
「ヒロちゃん!」
激しい土煙を上げ衝突したうな重とヒロちゃんにむかって叫ぶみうな。
「ひいろちゃん……」
「西尾さんが……」
文花と嬢子ちゃんがその光景を見て声を細める。
やがて土煙が晴れると、そこにうな重とヒロちゃんの姿は無く黒い粘液の塊が現れた。
「これは……?」
みうながその姿を見て声を上げる。
「呪詛返しの一種かしら」
先程吹き飛ばされていた摩夜さんが、粘液を心配そうに見つめる三人に近より口を開く。
「呪詛返し?」
みうなは摩夜さんに向かって聞いた。
「あの呪具を解呪しようとしたら、想像以上の念が込められていたわ」
「完全に解呪出来ずに想いの力が暴走し、念を込めた者の元へと呪詛返しとなって帰って行ったのね」
摩夜さんが静かに説明をするが、声には先程と違い緊張感がある。
「鰻木みうなさん、てっきり貴方に向かうものかと思って居たけど」
「あのカチューシャ、貴方の物ではないの?」
摩夜さんはみうなに質問する。
自分の名前を何故知っているのかと一瞬疑問に思ったが、直ぐに質問に答える。
「あのカチューシャ、ヒロちゃんから貰った物だから」
「さっき想いって言っていたし、きっとヒロちゃんが作った時に込めた想いに向かって行ったのかも」
私はそう答えた。




