うなぎちゃんとカチューシャ7
「プレレプトセファルス宇奈岐日女 」
「……ぷ、プレッツェルうなぎ?」
嬢子ちゃんがしどろもどろで答える。
「こういう座学は文花に任したわ!」
そう言って嬢子ちゃんは文花ちゃんに放り投げた。
「ぇ、私?ぇとプレ……れぷ?」
「それは3級試験にも出ていなかったし……」
文花ちゃんも謎な言葉に困惑していると。
「プレレプトセファルス」
「うなぎの孵化直後の幼生体の事だよ」
どこからか詳しい説明が入った。
嬢子ちゃんと文花ちゃんが声のした方を向くと、みうなちゃんが居た。
「よくわからないが流石うなぎの謎豆知識」
その隣でヒロちゃんこと私がツッコミながら解説する。
「宇奈岐日女 はうなぎの神様の名前かな」
さらにみうなが解説を続けた。
「あなたもなかなか博学ね」
摩夜さんは微笑みながらみうなちゃんを見つめた。
「本当に神様だったんだ、冗談だと思っていたのに」
私がそう言うと、嬢子ちゃんも同意して頷く。
「結界が張ってあったのに、大丈夫だったの?」
文花ちゃんが忘れそうになっていた事を思い出させる。
「ぁ〜、なんだか入れちゃった。テヘッ」
みうながよくわからないがモヤの様な、すりガラスの様な物を平然と通った件を告げる。
「貴方も関係者、ですわね確かに」
摩夜さんが補足説明をしてくれた。
「それで魔王さんは、そのうなぎの姫様を探していたって事なの?」
嬢子ちゃんが再び摩夜さんに向かって問いかける。
「そう、姫様がお勉強から逃げ出したかと思ったら」
「忽然と行方不明になって」
「教育係の私が責任を取らさせて」
「しかも何故か姫様の神力 が全然検知にに引っかからず」
「休日返上で探し回る毎日だったって事は」
眼鏡の奥に鋭い眼光を潜ませて、うな重を見つめる摩夜さん。
「わかっていますか……、姫様」
摩夜さんは静かなトーンで話す。
「じぇじぇじぇ!」
「だって、だってお勉強ばっかりさせて」
「悪魔なのじゃ〜!」
うな重がカチューシャを掴まれながら言い訳を始める。
「悪魔ってそういう……まぁでも魔王だから間違っていない?」
嬢子ちゃんが、なんだか腑に落ちない感じで話す。
「摩夜さんは、うな重を連れ戻しに来たって事なの?」
みうなが少し心配そうに魔夜さんに話しかける。
「まぁ、そういう事になりますね」
摩夜さんが落ち着いたトーンで話す。
「嫌じゃ!帰らないじぇ!」
「ここにいるのじゃ」
うな重が叫ぶ。
「姫様」
「このままだと……」
「逮捕されますよ」
摩夜さんが静かに恐ろしい事を言った。




