うなぎちゃんとカチューシャ5
「じぇじぇじぇ〜」
古墳休憩スペースから飛び出し、公園の敷地外へと再び逃げようとするうな重。
追いかけている女性は慌てる様子もなく、歩いてうな重の方へと向かう。
ゴチッ!
うな重が何かにぶつかる。
「な、なんだじぇ」
うな重がぶつかった方向を見るも、何もない?
いや、うっすらモヤがかかった様なすりガラスみたいな感じになっている。
「こ、これはなんだじぇ」
うな重が慌てていると、追い付いた女性はうな重の後ろに仁王立ちして
「追いかけっこは終わりですよ」
そう言って静かにうな重を見つめる。
二人を追って来た嬢子ちゃんと文花ちゃんが、二人の様子を伺う。
「これは……、結界?」
文花ちゃんが周囲の異変に気付いて口を開く。
「関係者以外入って来れない様に、公園全体を覆っておきましたから」
「これでもう逃げられませんよ、姫様」
女性がうな重に向かってそう言った。
「じぇじぇじぇ~」
逃げ場が無くなり慌てるうな重。
「こ、こうなれば~」
何か意を決したうな重が女性と対峙した。
「特訓の成果を見せてやるじぇ!」
うな重が先日いっぱい補充したムチンパワーを使い、叫んだ。
「尾汁玉!速射!」
うな重の尻尾から多数の粘液が飛び出し、女性に襲いかかる。
「あれは私が喰らった粘液技」
嬢子ちゃんがうな重からベトベトにされた事を思い出す。
女性は襲いかかる粘液を見ても落ち着いた様子で何かを手に持つ。
それは競馬などで使用されるような短い鞭。
ヒュン!
女性の眼鏡がキラリと光ったと思うと、一瞬にして飛んできた大量の粘液が弾けとんだ。
「なんじゃと!」
渾身の尾汁玉が吹き飛ばされて驚くうな重。
女性はなんだか嬉しそうに喋り始めた。
「ほぅ、ただ遊んでいたわけでは無さそうですね」
ヒュンと鞭が音をたててしなる。
「まぁ、でもまだまだですがね」
そう言いながらうな重へと近づく。
「じぇじぇじぇ~」
そのままうな重はカチューシャ部分を捕まれ持ち上げられる。
「おに!あくま!離すんだじぇ!」
それを見て嬢子ちゃんが嬉々として叫んだ
「あの気配、あの動き!あれは完全に悪魔ね!」
そう叫んだと思うとすぐさま手にドリルを練り上げる。
「悪い悪霊はこの天才エクソシスト、土御門嬢子が祓ってあげるわ!」
自称天才エクソシストなので、悪魔退治がしたくて仕方ないのであろう。
「ちょ、ちょっと待って嬢子ちゃん」
文花ちゃんの制止も聞かずに、嬢子ちゃんはドリルを構えて飛び出した。
「喰らいなさい!悪霊穿掘 !」




