うなぎちゃんとカチューシャ4
「じぇじぇじぇ〜」
カチューシャを足みたいに動かし、大慌てで入って来たのはうな重だった。
「あら、悪霊鰻じゃない」
嬢子ちゃんがうな重に声をかけるも、慌てた様子で休憩所に併設されている展示室の隅に隠れた。
「私を無視するとかいい度胸ね、かくれんぼでもしているの?」
そう言いながら嬢子ちゃんはうな重の方へ近づく。
部屋の隅に隠れたつもりでも尻尾が飛び出ていて、バレバレである。
「あ、悪魔じゃ、悪魔が来たのじゃ」
うな重が震えながら呟くと
「……ほぅ、詳しく話を聞こうじゃないの」
嬢子ちゃんが【悪魔】というキーワードを聞いて、がぜん目を輝かせ始めた。
「とうとう悪魔に見つかってしまったのじゃ!」
「ヤバいのじゃぁ!」
うな重が震えながら話す。
「聞いた?文花、悪魔が現れたそうよ」
「これはもう、この天才エクソシスト土御門嬢子の出番ね!」
さっきまで退屈そうにしていた嬢子ちゃんとは違い、目がキラキラしている。
「大丈夫?うな重ちゃん」
「悪魔って、ホントなの?」
文花ちゃんは心配しつつも信じられない様子である。
すると、また古墳休憩スペースに人が入って来た。
「ぅあぁあぁ!」
「来たのじゃ!ヤバいのじゃ!」
うな重が叫び、嬢子ちゃんと文花ちゃんは入って来た人を見つめる。
その人は落ち着いた感じの背の高い大人の女性だった。
前髪は片目が隠れそうなほど長く、後ろは頭の上でお団子状に纏めている。
白いブラウスにタイトスカート、眼鏡をかけていて一見すると女教師の様な出で立ちである。
「……。」
嬢子ちゃんと文花ちゃんは何故か静かにその女性を見つめていた。
「じぇじぇじぇ〜」
うな重が隙を見て飛び出した。
古墳休憩スペースから飛び出し、公園の外へ向かって逃げ出した。
「姫様、今度は逃がしませんよ」
その女性はボソリと呟き、逃げて行くうな重を静かに歩いて追いかけた。
「……、ぷふぁ〜」
古墳休憩スペースからその女性が出た所で嬢子ちゃんが口を開く。
「なに?あの人」
何かに驚いた嬢子ちゃんが文花に話しかける。
「あの人……凄い圧だった、何者なの?」
いつもは落ち着いている文花ちゃんも驚いた表情で嬢子ちゃんに返事する。
退魔師3級の二人は先程の女性に何かを感じ取った様である。
「悪魔、ってのも眉唾じゃ無さそうね!」
「そうかも」
そう言って嬢子ちゃんと文花ちゃんは二人?を追いかけた。




