ハライン16
「二人の共同作業」(略称HMJKo)
ゴォォオオォオオォ!
文花に縄で振り回してもらった嬢子ちゃんは、大きなドリルを掲げ回転は勢いを増して悪霊へと向かって行く。
シュルシュルッ
悪霊は先程と同じ様に触手そうめんを絡ませ、ドリルを止めようとする。
ブチブチッッッ!
が、さっきとは違い嬢子ちゃんのドリルの回転に文花の回転を加えた二人の回転力により、触手そうめんが次々と引き千切られてゆく。
「うぉぉぉおおおおおぉぉぉぉっ!」
嬢子ちゃんの声が轟く。
「二人の回転力 は止められないわよっっっ!」
「ォォォォォオオォォォ!」
ズガァァァァアアッ!
悪霊の叫びと同時に嬢子ちゃんが悪霊の黒い帯を貫いた。
ズサァァッ
悪霊の胴体の帯に巨大な穴を開けた嬢子ちゃんは勢いよく着地する。
ドゴォォォォオオォッ!
スッと立ち嬢子ちゃんがキメポーズを取ると、悪霊は爆発霧散した。
悪霊を退治した感動か、恍惚なのかキメポーズのまま空を見上げる嬢子ちゃん。
……ハラリ
ポーズを取っていた嬢子ちゃんに、霧散した悪霊の黒い帯の一部が舞い落ちる。
「……。」
それに気づいた嬢子ちゃんは、そっと手のひらを出すと手の上に黒い帯の切れ端が乗った。
その切れ端から、かすかな声が聞こえてくる。
「……ミンナ……二……タノシクタベテ……ホシ……カッ……タ……」
そんな言葉を残し、その黒い帯も霧散してゆく。
「そっか……」
その言葉を聞き、嬢子ちゃんは少し哀しげな顔をする。
「嬢子ちゃん!」
声を上げ文花が駆け寄って来る。
それに気付いた嬢子ちゃんが振り向こうとしたその時、
デレンデデレンデデレンデデレンデ、デーレン。
謎なエフェクトと同時に、何やらおかしなBGMが流れた。
「え?」
驚く嬢子ちゃんに、少し困った顔をした文花が近づき声をかける。
「……嬢子ちゃん、もしかして」
「呪われた?」
嬢子ちゃんの手に乗っていた悪霊の切れ端の最後の願いが、呪いとなったのだろうか。
「ぇえ〜っ」
静かに振り向き文花に哀しい顔を見せる嬢子ちゃん。
「また呪われちゃったのね」
腰に手を当ててため息をつきながら悪霊を退治した安堵感か、微笑む文花。
「なんでよぉぉぉおお!」
哀しい嬢子ちゃんの叫びが山の奥にざわめいていた。




