ハライン12
「いうなれば特級モドキと言った所かしら」
「流石に本物の特級悪霊とまではいかないと思うけれども、あの感じは低級どころか上級すら越えてそうね」
文花がそう言って嬢子ちゃんを見ると震えている様に見える。
それを横目に文花は話を続ける。
「一度退いて協会に報告するのが懸命だと、私は思うけれど」
すると文花の言葉を遮る様に嬢子ちゃんは
「何いっているの文花!、こんなチャンスはめったにないわよ!」
「3級祓魔士に特級悪霊の相手なんて」
「ワクワクしてきたわ!」
どうやら震えているのは武者震いのようだった。
嬢子ちゃんのこういう言動は慣れているのか、その言葉に余り驚きもせず文花は
「まぁ、嬢子ちゃんならそう言うと思ったけれども」
「本当にまずいと思ったら縛ってでも退くわよ」
嬢子ちゃんは不敵に微笑みながら話す。
「任せて、この天才エクソシストが特級だろうが祓ってあげるわ!」
そんな会話をしていると悪霊が動き出した。
触手の様なそうめんの手?をウネウネと動かす。
「嬢子ちゃん、来るよ!」
文花がそう言った瞬間、何本ものそうめんがこちらに向かってきた。
スガガッ、ズガッ!
文花と嬢子ちゃんは横に走り出し、そうめんの攻撃をかわしてゆく。
連続して向かって来るそうめんに次第に追い付かれそうになる二人。
すると文花は手元の縄を掴んで呟く。
「長縄流縄術【駆式】跳縄 」
縄が鋭く投げられ、木の枝に絡みつく。
その縄を掴みターザンなのか蜘蛛男なのか、器用に高速移動する。
少し離れた場所に着地し、振り返り嬢子ちゃんを確認する。
「嬢子ちゃん!」
向かってくるそうめんの攻撃に追い付かれると思った嬢子ちゃんは、振り返り右手にドリルを練り上げ構える。
「手数は多いけど、さっきの悪霊より細い!」
「吹き飛ばしてあげる!」
そう言って、襲いかかるそうめんにカウンター気味にドリルを振り抜いた。
ギィィイィィン!!
鈍い音と共に嬢子ちゃんのドリルが跳ね返される。
攻撃したそうめんも嬢子ちゃんのドリルの勢いに跳ね返り、お互い後ずさる。
その隙に嬢子ちゃんは文花の所まで退き、悪霊と距離を取る。
すぐさま嬢子ちゃんは文花に向かって叫ぶ。
「なによあれ!細いのにかっったいじゃない!」
嬢子ちゃんの言葉に文花は冷静に返す。
「嬢子ちゃん気をつけて」
「特級そうめんは上級よりも細いけれど」
「コシが強いの」




