ハライン5
「おじゃましま~す。誰かいますか?」
慎重に扉を開けて二人はログハウスの中へ入って行った。
静まり返った建物内に二人の声が静かに反響する。
「やっぱり誰も居ないわね」
そう言って嬢子ちゃんは部屋を見渡す。
安全を確認したのか、慎重に歩を進め室内に入っていく二人。
「ここは事務所か何かなの?」
嬢子ちゃんが文花に質問すると
「うん、キャンプの受付とかする管理人の事務所かな」
文花は近くにあった机を見て、その上にあった書類などを確認する。
「ハラインからの情報通りね、去年まではキャンプ場として賑わっていたみたい」
「何故だか今年は営業していないみたいね」
文花の話に嬢子ちゃんが返答がする。
「悪霊のせいに決まっているわ、この天才祓魔師エクソシスト土御門嬢子が祓ってあげるわ!」
いつも通り自信満々に人差し指を突き出し、何もない空間に嬢子ちゃんの叫びが響き渡る。
慣れているのか、文花は気にも止めずに物色を続ける。
「なにか悪霊に繋がる手がかりでもあるといいんだけど」
嬢子ちゃんは早速室内調査に飽きて来たのか窓の外を眺めている。
「森が……ざわめいているわね……」
「私は外を見てくるわ」
そう言って外へ向かおうとする嬢子ちゃんを、文花が引き留める。
「嬢子ちゃん……」
それを聞き、振り返って足を止める嬢子ちゃん。
「嬢子ちゃんその台詞……」
「ざわめいてるって言いたいだけでしょ」
嬢子ちゃんはそれを聞いてドキッとする。
続けて文花は
「ここに来るまでに、森の木々やら動物やら3~4回はざわめいてるって言っていたし」
その言葉に照れた顔をしながら嬢子ちゃんは
「ぅ、うるさいわね!ざわめいてるんだからしかたないでしょ!」
「外、見てくるから!」
恥ずかしそうに早足で扉に向かい、バタリと音を立てて外へと出ていった。
その様子を微笑ましく見送った文花は、再び辺りを見回し部屋の確認に戻った。
ザワザワ
ぁあは言ったものの自称天才祓魔師エクソシストだ、賑わっていたキャンプ場の雰囲気とは違って何かが棲む気配があるのを感じ取って居るのかもしれない。
「ん?」
室内を見回していた文花が何かを見つける。
「あっちは倉庫、かな?」
奥の方へ歩き、倉庫らしき扉に手をかける。
カチャり
静かに扉を開け、奥の様子を伺う。
倉庫も当然のように静まり返っているのだが、文花はそこにいくつかの段ボールと何かの機材を見つける。
「これは……」
そっとしゃがみ段ボールを確認する。




