Dジョー5
「相変わらず、技名を考えるの好きだよね。嬢子ちゃん」
文花ちゃんはそう言って、さっきの長い技名をさらっと聞き流して嬢子ちゃんを一瞥する。
「そっか、嬢子ちゃんも文花ちゃんと同じ習い事だったから、お友達なんだね」
みうなが自信の胸元で手のひらを合わせながら、明るい笑顔で喋る。
「と、いうことは文花ちゃんもエクソシスト?」
私がふとした疑問を投げかけると、文花ちゃんは少々焦った感じで口を開く。
「ぁ、いや私はエクソシストじゃなくて退魔士というか」
「ほら、家が神社だからお祓いとか祈祷とか、あれ、そういう行事があるから」
「そっち系の資格が必要になるわけで、小さい頃から修行というか、試験対策というか、習い事ね」
「だから、決して中二病とかではなく、ほら家業の手伝いとして必要に迫られてというか」
文花ちゃんにしては珍しく、捲し立てるように早口で喋っている。
「だから、えっと、変、じゃないよね、多分」
ぁあ、文花ちゃんはエクソシスト?いや退魔士とやらをしているのがバレると変な子だと思われると心配している、のかな。
「文花ちゃんは凄いね~、お家の手伝いまでして資格まで取っちゃうなんて」
みうなが屈託のない笑顔で文花ちゃんに語りかける。
「ぇ、あ、うん、ありがとう?」
その純粋な笑顔で、文花ちゃんの顔から心配が吹き飛んだ?様な感じになった。
相変わらずみうなはこんな感じて、特定保健用食品みたいに周りを優しく包み込んでしまう。
うん、カワイイ。
「まぁ、文花ちゃんよりよっぽどみうなのワンダーランドの方が変だから大丈夫だよ(笑)」
私も冗談まじりに文花ちゃんの心配を吹き飛ばす様に話す。
「もぅ~、ヒロちゃん」
みうなが、微笑みながら話を返す。
そんな感じでイチャイチャ?していたら文花ちゃんの心配も吹き飛んだ様で笑顔になったみたいだ。
ひとしきり笑いあったあと、文花ちゃんが冷静な口調で口を開く。
「それで、嬢子ちゃんはなんで此処に?」
「そりゃあもちろん、後をつけて……じゃなくて文花の悪霊退治の手伝いに来たのよ!」
嬢子ちゃんは元気に返事を返した。
再び文花ちゃんは嬢子ちゃんを見て、
「いや、手伝うもなにもこんな所で悪霊退治なんてしていないし、というか後をつけてきたって言った?」
嬢子ちゃんに言い返した。
ほのかに光る文花ちゃんの強い目力に、嬢子ちゃんは嬉しいような、苦笑いの様な顔をする。
暫しの沈黙の後に、嬢子ちゃんが喋り始める。
「えと、だって、最近文花は先に帰っちゃうし、しばらく一緒に帰ってないし……」
嬢子ちゃんはなんだかカワイイ事を言い始めた。




