うなさんぽ4
クレープ屋さんを過ぎて暫くしたところで
「あれ、ここはどこじゃったけか」
うな重が少々道に迷った様で、辺りをキョロキョロ見渡す。
そんなうな重をうしろから狙う瞳があった。
魔女の森の黒猫とは違い、茶色の三毛の猫がそっと近づいていた。
うな重は猫に気づいていない。
その猫がうな重に飛び掛かろうとした時、
「危ない!後ろ!」
何処からか声がして、うな重がその声に反応する。
「うわっ、なんじゃ!」
間一髪、うな重は猫の攻撃をかわした。
「ぇと、あと、そうじゃ、尾汁玉を」
うな重が反撃をしようとするが、三毛猫の第二撃の方が早く間に合わない。
「じぇじぇじぇ!」
うな重が叫んだその時、背後から眩しい光が走った。
「ヴにゃ~!」
その眩しさに三毛猫が怯み、後退りする。
「うぉっ、なんじゃ!」
間髪入れず、うな重は誰かに手を引かれ路地裏に隠れる。手を?
眩しさから回復した猫は、自分の獲物が居なくなった事に気付き周りを見渡すが、うな重はもう居ない。
いぶかしげな顔をして、残念そうに猫は去って行った。
「……。居なくなったかじぇ?」
安全を確認したうな重が、ひょっこり顔を出す。
うな重は先程助けてくれた相手に、頭をペコリと下げお礼を言った。
「ありがとうなのじゃ、ハニー」
うな重を助けたのはハニーだった。
ハニーは軽く手を上げうな重に返事をする。
「ハニー」
するとうな重が、
「ついてこい、と言っているのかじぇ?」
ハニーは軽く頷いて、路地裏の奥へと足を進めた。
うな重とハニーが小道を暫く進むと、開けた通りへと出てハニーが手を上げる。
その手を上げた方向を見てうな重が口を開く。
「ぉお、あの公園だじぇ」
いつもの古墳休憩スペースがある公園が見えていた。
歩き慣れた様子でハニーは進み、躊躇うことなく古墳休憩スペースへと入っていく。
うな重はその後をついていった。
出土品のレプリカが並んでいる辺りまでハニーが進むと、他の埴輪と殆ど見分けがつかない。
「ハニー」
「なるほど、ここら辺は安全だじょ」
だんだん普通にうな重とハニーの会話が成立し始めている。
「改めて礼を言うじぇ、ハニー」
「ハニー 」
「しかしハニーは散歩慣れしているんだじぇ」
「 ハニハニー」
うな重とハニーは仲良く会話を始めた。




