マイハニー6
「普通に歩くし、しかも喋るよ」
と、こちらに笑顔で語りかけると同時にハニーが片手を上げて返事した。
「ハニー」
ちょっと高めの声で可愛らしく喋る埴輪。
私は目を真ん丸にして驚いた顔をしながら文花ちゃんとみうなの方を見ると、
「カワイイねぇハニー」
と、みうなも笑顔でハニーの頭を撫でている。
文花ちゃんも
「うん、カワイイよね」
みうなに笑顔で返事を返す。
二人とも可愛らしくて微笑ましいのだが、
「は、埴輪が歩いて喋ってるんだよ!」
そう二人に問いかけると、みうなが口を開く
「ぇ、うな重も喋っているし、ハニーが喋ってもいいかな~と」
まぁ、確かにそうだ。と心の片隅で思いつつも何か納得がいかない。
「文花ちゃんも、うな重が喋っているのに驚かないの?」
再び問いかけると、文花ちゃんは
「ぇ、ハニーも喋っているし、うな重ちゃん?が喋ってもいいかな~と」
なんだか今さっき聞いたばかりの様な台詞が帰って来た。
そうだった、この二人。似た者同士な所が気の合う要因だったのだ。
「ぇ、じゃあ屋上で会った時も、うな重の大暴れを見ていたの?」
勢いに任せて気になっていた件を続けて質問する。
「あ、うん。うな重ちゃんが凄い叫び声で倒れていたから駆けつけたの」
「よっぽど酸っぱい梅干しだったんだね」
そう言って文花ちゃんはうな重の方を向き
「大丈夫だった?うな重ちゃん」
うな重に普通に語りかけた。
「あれは酷い目にあったのじゃ、それにしてもこのクっきーはうまいのじゃ!」
うな重は先程貰った縄文クッキーを貪りながら文花ちゃんに返事を返す。
なんだかもうみんな普通に会話しているし、驚いている自分の方がおかしいみたいになってきた。
私は縄文クッキーをもうひとつ口に入れ、食べながら心を静める。
口の中の物を飲み込んだ辺りで落ち着いて来たので、改めて文花ちゃんとみうなに質問する。
「うな重はまぁいいとして、ハニーはなんで喋ったり歩いたり出来るの?」
それを聞いた文花ちゃんは、指を口元にもって行き少々考える仕草をした後に答えた。
「んーと、ハニーは昔からこうだし埴輪の中では特殊な方だから、かな」
ほうほう、と納得するようで全然答えになっていない!
なので続けて質問する。
「普通に鰻と埴輪が会話しているって、明らかに変でしょう!」
うな重とハニーを指差しながら半立ちになった。
すると文花ちゃんは
「うーんとね、この辺りっていわゆるパワースポットなんだ」
なにやら話題が別角度に曲がり始めた。




