マイハニー4
高校生になったらみうなと一緒に巫女さんのバイトをしようと。
そんな事を考えていたら文花ちゃんは再び椅子に座り、先程持ってきた何かしら入った袋をこちらに見せた。
リボンのついた小さめの透明な袋に入った、クッキー?的な物を見せながら笑顔で文花ちゃんは口を開く。
「はい、縄文クッキー」
「「縄文クッキー?」」
私とみうなが自然と声を合わせてしまった。
縄文クッキーとやらを手元に置いた文花ちゃんは、嬉しそうに静かなトーンで縄文クッキーの説明を始めた。
「縄文クッキーってのはね、縄文時代に食べられていたであろう食事を再現したもので」
「本当に縄文クッキーが食べられていたかは定かでは無いのだけれど、こういうものが食べられていたって想像するのが、ロマンチックなの」
いつになく饒舌に喋る文花ちゃんに少々驚きはするものの、私には解る。
これは推しを語るときの目だ。
みうなが鰻の豆知識を語るときも同じような感じだったし。
「ぁ、ごめんなさい。私ばっかり喋っちゃって」
文花ちゃんが胸に手をあててこっちを心配そうに見つめる。
私は軽く手を上げて
「大丈夫だよ、それよりこのクッキー」
「縄文時代の食材で作ってあるの?」
心配そうな顔の文花ちゃんに縄文の話題を振り返して、安心させてみる。
「ぁ、うん。現代風にはしてあるけど、一応当時食べられていたと思う食材かな」
再び文花ちゃんは縄文推しの話を続ける。
「縄文クッキーは動物性の食材と、植物性の食材を使った2種類があって」
「ぁ、動物性ってのはお肉とかを使ってハンバーグっぽくなっている物、植物性はクッキー的な物なの」
「私がよく作るのは、植物性の方の縄文クッキー」
静かに聞いていたみうなが口を開く
「じゃあ、このクッキー文花ちゃんが作ったんだ」
「うん、まだまだ美味しくしたくて研究中だけど」
文花ちゃんは少々照れながら返事を返す。
「でね、この縄文クッキーはクルミと栗、それに蜂蜜を入れて焼いた物なの」
その説明を聞いて私は
「美味しそうだね」
縄文クッキーと聞いて少々驚きはしたが、材料を聞く限りこれは美味しいであろう。
「食べる。食べる」
みうなは嬉しそうに文花ちゃんに微笑む。
こういう時、みうなの様な特定保健用食品な感じで話を進めてくれるのは非常に有難い。
文花ちゃんは袋から縄文クッキーとやらを数個取り出し、テーブルの上にひいた紙の上に置いて私とみうなに渡してくれた。
「はい、どうぞ。縄文クッキー」




