う弁当3
「美味しそうだね、みうなのう弁当」
みうなのお弁当を見てそう言うと、みうなは嬉しそうに微笑む。
「でしょ~」
「ヒロちゃんのお弁当はどんなの?」
みうなが私のお弁当を軽く覗き込む。
「私のはこんな感じ」
そう言って私は自分のお弁当をみうなに見せる。
「ほほ~」
そう言いながら覗き込んでいるみうなもまたカワイイ。
そして私のお弁当を見ながら、みうなが喋り始めた。
「え~と」
「唐揚げと、ポテトと、ミートボールと、焼きそば」
「ご飯にはカツオふりかけ?」
自分の胸元で私のお弁当を軽く指差ししながらおかずの説明をしているみうなに返事をする。
「うん、そう正解」
そう言うとみうなは子供のように喜ぶ。
「やった~」
「ヒロちゃんのお弁当も美味しそうだね~」
みうなは素直に喜んでくれているが、かつてこれと似たお弁当を持ってきたことがある。
小学生の頃の遠足、今は校外学習とでも言うべきなのか。
お昼ご飯の時間、当然のごとくお互いのお弁当を見せ合う。
その時もみうなは、
「すごく美味しそうだね~」
と言ってくれたのだが、みうな以外の他の子達に言われた言葉が
「えー、茶色過ぎ。全然色がないじゃん!」
とか言われて当時の私は憤りを露にしたものだ。
だが、私はこの茶弁当に誇りを持っている。
いきなりだが、私には好きな言葉が三つある。
ぁ、みうなとは別枠でね。
それは、
ゲシュタルト崩壊
シュミラクラ現象
そして
メイラード反応である。
前述の二つは置いておくとして、メイラード反応。
これが大事なのだ。
メイラード反応とは、糖とタンパク質を加熱すると出来る褐色物質を生み出す反応のことなのだ!
と、小難しい事を言っても周りにはあまり伝わらないと解っているので簡単に言うと、
肉とかを焼くとこんがりキツネ色になる、それがメイラード反応である。
話が逸れて来たのでお弁当の話に戻すと、このお弁当はメイラード反応で出来ているのである。
メイラード反応を起こす事よりキツネ色になり美味しくなる。
色味なんか無くてもこのお弁当は間違いなく美味しい自信がある。
つまり、この茶色は正義なのである!
などと心の中で力説していると、みうながこちらを見て
「じゃあ食べよっか~」
と良いタイミングで声を掛けてくれたので私はそれに相槌を打つ。
「そうだね」
そうして二人はお弁当を食べ始めた。




