う弁当1
今日もいい天気である。
程よくそよ風もあり、暑くはなく過ごしやすい陽気だ。
私、西尾一色は今学校の屋上に居て青く広がる空を見つめている。
事の発端は先日行ったクレープ&タピオカミルクティー食べ歩きである。
私はその食べ歩きに並々ならぬ想いがあり、万全の状態で食べたかった為にその日の昼食を抜いて戦いに挑んだのだ。
その結果今ここに居る。
まぁ、簡潔に言うとその日お昼を抜いたことが、みうなにバレていて怒られてしまったのだ。
「も~、ヒロちゃん。クレープ食べたかったのはわかるけど~」
「ちゃんとお昼ご飯は食べないと元気出ないぞ~」
と言いながらホッペを膨らませて怒っていたみうなは可愛かった。
「だからお昼は一緒に食べるよ」
てな流れで今私はみうなと学校の屋上で一緒にお昼ご飯を食べることになったのである。
こんなことになったのは誤算だが、みうなと一緒のお昼ご飯の約束なんて
そんなのご褒美でしか無い。
が、ここは怒られた手前反省しておかねば。
というかお昼ご飯抜いて、みうなと一緒のお昼ご飯を食べるところまでが計画通りなのだ、きっと、そう。
そう思いながら青空から視線を降ろすと、高めのフェンスがあり解放されている校舎の屋上は町を一望出来る。
見張らしが良いので遠くにはいつもの古墳公園や神社が見え、さらに奥の方には駅も確認できる。
駅前にあるみうなの家の鰻屋や、私の家の魚屋があるであろう商店街も僅かだか見渡せるのである。
こうして見ると都会でも無く田舎でもない都会と田舎の中間である住みやすいトカイナカなのだと改めて感じる。
周りを見ると丁度人も居ない感じで青空一人占め、いや二人占めと言ったところか。
昇降口から少し離れた場所まで歩き、程よくお昼ご飯を食べれそうなスペースを見つける。
「ここに座ろうっ、ヒロちゃん」
みうなは小走りしながら指を差すので私はそこに座った。
「ヒロちゃんはお昼ご飯何持ってきたの?」
隣に座ったみうなが声を掛ける。
「私はね~」
そう言いながら差し出したのはお弁当。
「あ、おべんとだ~」
「私もおべんと持ってきたんだ、一緒だね」
そう言って微笑むみうなは青空と相まって、反則級に可愛かった。
溢れ出るヨダレを隠すように拭い、みうなに微笑み返す。
もちろんこのヨダレはお弁当を食べたくて出たものだ、うん。
私とみうなは膝の上にお弁当を乗せ、軽く目を合わせる。
二人は自然と声を合わせて
「「いただきます」」




