ジッパー団10
「泥水とカエルの卵を3つですね」
タピオカミルクティーを差し出す魔女さんが、こちらを見て微笑む。
「ありがと~」
みうなが元気に微笑み返してタピオカミルクティーを受け取った。
「ありがとうございます」
私も魔女さんの笑顔を見ながら受け取る。
お店を出た辺りでようやくうな重が口を開いた。
「泥水とカエルの卵ってどういう事なんじゃ!」
「タピオカミルクティーじゃ無いのかじぇ!」
魔女の森初心者にありがちなリアクションだ。
魔女の森ベテランの私からすると、そんなリアクションすら懐かしい位である。
「大丈夫だよ、美味しいから」
私はサラッとうな重に返事する。
「本当に大丈夫なのかじぇ?」
うな重が心配そうに喋る横で私は歩きながらさっそく
ズコココココココココ……
やはりタピオカミルクティーと言えばこの効果音だ。
そして味も食感も間違いない。
「ふぉら、ぅおいすぃいよぉ」
みうなも同じくズコココして口の中に頬張りながら喋っている。
口の中に入ったまま喋っているのは少々だらしないが、カワイイからヨシとしよう。
「……」
うな重が不思議そうな顔でこちらとみうなを交互にみつめている。
「本当に……美味しいのかじぇ?」
「はい、どうぞ~」
そう言ってみうなが自分の頭にタピオカミルクティーを差し出す。
「……」
再びうな重が不思議そうな顔でこちらとみうなを交互にみつめる。
私はその視線を意に介さずズココる。
うん、美味しい。
「ぇえ~ぃ」
うな重が意を決してタピオカミルクティーを
ズコココココココココ
「……」
「モグモグ」
「……」
「うまい!うまいのじゃ!」
うな重恒例のうまいのじゃ、頂きました。
「ね~、美味しいよね~」
みうなも微笑みながらズココっている。
「タピオカミルクティーも捨てたもんじゃないのうズココ」
タピオカミルクティーがもう古いとか言っていたのに、とか思いつつ
器用に頭の上のうな重にタピオカミルクティーを飲ませているみうなも凄い。
タピオカミルクティーが無くなりそうな頃にはウチの魚屋と、みうなの鰻屋が見えてきた。
とりあえず
鰻パイやらホッペクリーム事件やら色々とあったが、
みうなと一緒にクレープやタピオカミルクティーを食べ歩き出来たので、ほぼ計画通りに済んだと言っても過言ではない。
こうして私のジッパー団入団は無事に済んだのである。
ズココココココココココココココココ




