うなぎちゃんとカチューシャ22
「……うな重帰っちゃうんだ」
今までの話を静かに聞いていたみうなが、そっと口を開いた。
私から見ると、喋って歩く謎うなぎにしか見えないうな重も
みうなからして見れば、初めて出来た喋る鰻友達なのか。
「そっか……」
少し寂しそうな顔をするが、直ぐに元気に振る舞おうとするみうな。
「また、遊びに来てね」
そんな寂しげみうなもカワイイのだが、
「まぁ、タレの匂いでも嗅げばすぐに飛んで来るでしょう」
私はそう言ってみうなを元気付ける。
やはりいつも元気なみうなを見ていたい。
「そうじゃ!あのタレはサイコーじゃ!」
うな重もタレの話で元気が出てきたようだ。
「なんだか色々あったけど、取り敢えず無事に解決出来たのかしらね」
そう言って嬢子ちゃんがみんなに話しかけた。
「あなた達、3級とは思えないほどの素晴らしい動きでしたよ」
「機会があれば、私が直に手ほどきしてあげたい位です」
みんなの方を見て摩夜さんはそう言った。
それを聞いて摩夜さんの教育は凄そうだなと、私はちょっぴりたじろいだ。
「さぁ、姫様」
「ビザが切れる前に帰りますよ」
摩夜さんががそう切り出した所で
「相変わらず摩夜さんはせっかちですね」
魔女さんはそう言って摩夜さんの肩に手を置き、みんなの方を向く。
私達はうな重とのお別れの時間を作ってくれた事に気付き、それぞれ口を開く。
「うな重ちゃん、ハニーとお友達になってくれてありがとう」
「ハニー」
文花ちゃんとハニーが微笑む。
「悪霊じゃ無かったのは残念?だけど、悪霊部分は祓ってあげたわ!多分!」
「だジョー」
嬢子ちゃんとジョー君がツンデレ要素で微笑む。
「うな重、じゃ無くてプレレプトセファルス宇奈岐日女……ちゃん」
みうなが少しよそよそしく話し始める。
「まぁカチューシャ鰻じゃなくなったけど」
「うな重はうな重だし」
それを見て私はそっと口を挟む。
みうながそんな私を見て安心したようだ。
「うな重!」
「また」
「また遊びにきてね!」
いつもの元気な顔に戻ったみうなが、そう叫んだ。
「わかったのじゃ!」
「絶対にまたあのタレを」
「いただきにいくのじゃ!」
うな重がウルウルしながら、いやヌルヌルしながらそう叫んだ。
「姫様」
「そろそろ行きますよ」
摩夜さんが微笑みながら手を振る。
うな重を掴んだ手と共に眩い光に包まれた。
パァァァ
やがてその光が消えると、うな重と摩夜さんの姿は無く
優しい風だけが吹いていた。




