1
僕は東京に住むとある男
昨夜は友人と居酒屋で飲み、家に帰ってパタリと布団に倒れ込むとそのまま眠り込んだ
翌朝、目覚めると
そこはいつもの毎日ではなくなっていた
いったいどういうことなのか
トイレに行き、コーヒーを片手にカーテンを開けた
目を疑った
いつもなら通勤中のサラリーマン、通学中の学生が見えるはず
しかし今日は何かが違う
明らかに
男が全員スカートを履いている
まだ酔っ払っているのか、二日酔いなのか、幻覚を見ているのか
そうだ きっと見間違いだったんだ
身支度を済ませ、いつもの電車に乗る
周りの男は全員スカートを履いている
「よお!」
同僚の福田さんだ
おはようと言いかけたが、なんと福田さんはスーツではなく皆と同じようにスカートを履いている
呆然としていると
福田さんが怪訝な顔でこちらを見ている
「おまえ、、なんだよその格好」
え?耳を疑った
僕はいつも通り黒のスーツを着てネクタイもしている
なんだその格好はこったの台詞だ
「ま、まぁそういう格好する人もいるよな、
俺はいいと思うぞ!」
まるでこちらがおかしいかのように励ますかのように
会社に着くと上司、同僚、後輩、グループの1番偉い人までスカートを履いていた
ミニスカートの人もいればロングスカートも
フレアスカートにチェック柄スカート
みんな僕をジロジロと見ている
目を離さない者もいれば、目が合った瞬間気まずそうに目線をそらすやつもいる
いったいなんだというのだ?
それから僕の平穏無事な日常はがらりと変わった
何も変わらない毎日が壊れた
その日はひそひそと皆に
「あの人おかしいよ」
「まあまあ多様性の時代だからさ」
「男なのにスーツって…」
などなど言われた
みんなは隠すつもりもないのか悪口は小声だがしっかり聞こえてきた
きっと夢を見てるんだ
そうに違いない
そう思わなければやっていられない
定時で切り上げるとそそくさと家路に着いた
ゲームを起動するとそこには平穏無事ないつもの日常があった
おかしな日だったな、、
きっと今日はLGBTがどうたらとか
そんな運動をやっていたのかもしれない
僕だけ知らされなかったのか
みんなとはうまくやってるつもりだったのに
知らされないなんて、、と傷ついたが
まあ給料もいいし、なにに使うってことはないが金がないの不安だ
まあ明日になればいつもの日常だ
そうこうするうちにゲームをしたまま寝落ちてしまった
なんだよ2日続けて悪い睡眠だ
だからこんな悪夢を見るんだ