表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/100

第9通 ティータイム

 悠平が甘いもので気をまぎらわせている事は以前述べた通りだが、それを取りすぎてはいけないので、10時と15時にティータイムとしてコーヒーや紅茶と一緒に少量のお菓子を食べていた。悠平はそれを楽しみにしていた。

 入院食では成人の口を満足させられなかった。昨今の入院食はかなり美味しくなっているとは言え、この病院の入院食はあまり美味しいとは言え無かった。

 それでも美代子が持って来るスイーツがあったため、我慢出来ていた。美代子は悠平が入院してから時間の融通の利くパートに出る様になっていた。経済的には悠平のこれまでの貯蓄と自分の蓄えが合計で800万円程はあったため、当分の入院費用は何とかなっていた。

 悠平の許可なしに美代子はパートに出ていたが、直ぐに悠平にばれていた。それからは悠平の了解を得て月約10万円程を稼いでいた。

 「あんまり無理するなよ?」

 それが悠平と美代子の合言葉であった。


 我が子へ 其の九

 ティータイムは大切にしよう。そんなこと元気に働いていた頃は考えもしなかった事だな。寧ろ、ティータイムなんて西欧かぶれだなんて思ってた父さんが、今じゃそのティータイムを楽しみに生きているんだから驚きだ。まぁ、ティータイムに限らず小休憩と言うのは大切だ。母さんも弁当屋でパートに出始めたんだけど、あまり無理しない様に言ってある。母さんは母さんで、頑張り屋さんだからな。全ては父さんが病気になってしまったせいで、母さんの人生まで狂わせてしまったかと、罪悪感を覚えた事もある。でも、もうなるようにしかならないと諦める様になってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ