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宣告-SENKOKU ~余命宣告を受けた父から愛する家族へ贈る365通の手紙~  作者: 佐久間五十六


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第230通 またメールする日まで

 「もうすぐ生まれそうなのでメールの返信が出来なくなるよ。」

 そのメールは悠平の鼓動を大きくさせた。次にメールが返って来た時には我が子はもう生まれている。立ち会えないのは残念だが、そう思うと不思議と嬉しくなった。

 「じゃあまたメールする日まで吉報を待つよ。」

 そう悠平は返信した。

 春の訪れが赤ん坊と共にやってくるとは、なんて偶然なんだと、気分が高揚するのを抑えるのに必死であった。

 「生まれてくるのは双子だよ!」

 このメールを見て悠平が初めてそれを知ったのは最後のメールの2通前であった。男の子と女の子の二人が一気に生まれてくるそうだ。悠平は一瞬、自分の病を忘れた。美代子はいつ言おうか悩んでいたが、流石に生まれてから知るのでは悠平が心の準備が出来なくなると感じての出産直前でのサプライズ発表だった。

 悠平にはまた一つ新たな楽しみが増える事になった。赤ん坊の写真が添付されたメールを見て、この時ばかりは、文明の利器に感謝せずにはいられなかった。


 我が子へ  其の二百三十

 今日からは我が子へではなく、"我が子達へ"としなくてはいけないな。美代子の奴も意地が悪いよ。どうして双子だって教えてくれなかったのだろうかと思ったけど、彼女が驚かせ様と言うだけの理由で黙っていたと知った時は、驚きを通り越して怒りすら覚えた。まぁ、そんな事もお前達の笑顔で吹き飛ぶんだけどね。まだ、この230通目の手紙を書いている時点では、出産の報せは届いていない。でもお前達がこの手紙を読める位にまで成長した時、父さんはお前達の笑顔により癒され、力強く生きれたと言う事を分かっていて欲しいと思う。

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