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宣告-SENKOKU ~余命宣告を受けた父から愛する家族へ贈る365通の手紙~  作者: 佐久間五十六


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第40通 考え事

 頭の中はある考え事で一杯だった。死んだ後の事は正直言って分からないけど、死んだらどうなるのであろうか?とか、死ぬのって痛かったり苦しかったりするのだろうかと言う死について考える事が多くなった。

 それは自分の死が近づいて来た事を自分でも無意識のうちに、考える様になった事でより身近に死を死と言う概念がすぐそこにあった。

 多分、健康体でなんの不自由も無く暮らしている人には、絶対に沸いて来ない感情であったと思う。どうして自分だけが?そうは思わなかった。生あるもの形や迎え方は違えど、必ず人生の最後には死と言う関門が待ち受けている。

 それが分かっていたから、そう言う被害的な妄想にとらわれる事はなかった。たまにある腹を突き刺す様な痛みが、僕に死を感じさせてくれるのであった。

 そんな僕を美代子は黙って支えてくれていた。美代子だって疲れているのに、そんなそぶりは全く見せなかった。最高の女性を嫁に貰ったな。そう心の中で何度思った事であろうか。


 我が子へ 其の四十

 死について考えた事はあるだろうか。無ければ無いで良いのであるが、多分こう言う大事な事って自分が当事者にならなければ、関心にすら成り得ない事なんだろうって思う。それは何だか各種の政治問題に通ずる事がある。当事者にならなければ自分には関係無い。それは確かにその通りで父さんが死に関心を持つ様になったのは、他でも無い自分がそれを体験しているからに他なら無くて、何の不自由も無い生活をしていたら死について考える事なんて、きっと無かったのだろうと思う。

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