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宣告-SENKOKU ~余命宣告を受けた父から愛する家族へ贈る365通の手紙~  作者: 佐久間五十六


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第20通 日記

 手紙と共に気が向いたら俺は日記を書いた。気をまぎらわせる為だと分かっていたけれど、何もしないよりはマシであった。

 その日あった出来事なんて言ったって、病室の中にいるだけでは特筆すべき事は無かったけど、ペンを走らせているだけでも生きている実感が沸いて来るのであった。

 今日記に書ける事は食事の事や、その日のニュース位しか無かったけれど、続ける事で何か見えるかなと思って書いていたが、相変わらず何も見えてこなかった。

 美代子が来た時はおやつも豪華になって、日記のクオリティーも良くなるが、何の変鉄もないこの病室で書ける事を探せと言う方が無理難題である。

 いつまで続ける事が出来るか分からないけど、日記を書く事は生きた証を文章により形に出来ると言う点で、優れていると思う。だからペンを持っている間は必死で書ける事を絞り出して行こうと思う。

 本当にいつまで続ける事が出来るか分からない。続けられるのかと言う不安の方が大きいけれど、まぁなんとかなるだろう。


 我が子へ 其の十九

 日記って書いた事あるか?父さんはこの年になって初めてこうした物を書く事にしたんだが、その何と言うか難しいものだな。書き出して見ると自分の1日ってこんなに充実したと思う日もあれば、これだけ?と思う位出来事が少ない時もある。でもその日記を少し経ってから見ると、ああそう言えばこの日はこんな事をしていたなとか、あの日はあんな事があったなと、振り返ると確かな生を感じられる。だから、今お前がこの文章を読んでいて生きている実感が沸いて来たのならば、日記を書く事をお勧めする。

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