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宣告-SENKOKU ~余命宣告を受けた父から愛する家族へ贈る365通の手紙~  作者: 佐久間五十六


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第13通 特別な日

 今日は特別な日だった。結婚5年目の節目の日。そう、俺と美代子の結婚記念日だのである。まさか、病院のベットの上で迎えるとは思っていなかったけど、この日の為に手紙を書いた。

 今日の手紙は、いつもの手紙とは違う。いつもはまだ見ぬ我が子へのメッセージだけど、今日は美代子へのメッセージだけしか書いていない。いつもありがとう。って感謝の言葉を口に表すのはものすごく恥ずかしい事であるけれど、手紙ならスラスラ書けてしまう。

 特に普段と変わる事なんて何一つないけれど、やっぱりこの日は特別な日だ。俺と美代子が夫婦の誓いを立てた日だから。

 あれから5年もの月日を一緒に過ごせて来たのは嬉しいけど、時の流れって早いもんだね。あとどれくらい生きられるか分からないけれど、せめて宣告された2年は生きたいね。こればかりは天命だから分からないけれど、俺の命の灯火が消えるまでこれからもよろしくね。

 と、そう思っていた悠平であった。


 美代子へ

 結婚して5年の月日が流れました。若かった初々しい君の顔も大人びて来た最近の君。どんなに苦しかった時も、最高に嬉しかった時もどんな場面でも、美代子は俺の側にいてくれました。ありがとう。心からそう思います。これからどんな道を歩むか分かりませんが、燃料が尽きるまではどこまでも一緒にいたい。そう願っています。一緒にデートすら出来ず、こんなありきたりな手紙しか結婚記念日には用意する事が出来ませんが、俺の想いは伝わったかな?5年前と変わらず、俺は美代子を愛しています。これまでもこれからも。

 悠平より

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