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宣告-SENKOKU ~余命宣告を受けた父から愛する家族へ贈る365通の手紙~  作者: 佐久間五十六


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第10通 電子タバコ

 どうしてもタバコが吸いたかった悠平は妥協して電子タバコを吸えないか、主治医に聞いたところ、何とOKを貰った。色々なフレーバーを楽しめるが、もちろんこんなものは気休め程度にしかならない。

 それでも無いよりはよっぽどマシであった。悠平は何とか窮屈な毎日を少しでも快適に過ごそうと努力していた。これは闘病者としては、ベストな姿勢なのかもしれない。ただ絶望して諦めて残りの貴重な時間を無為に過ごして行くのが正しい末期患者の姿勢とは言え無いだろう。

 それを受け入れ今出来る事で良い思い出を残そうとしている人の方が輝けるのではないだろうか?まぁ、余談的感想などどうでも良いのであるが、悠平は美代子がいない間も手紙を推考したり、新聞を見たり、絵を描いたり、かなりアクティビティに活動的で充実した毎日を送っていた。

 余命が2年を切るなかで、余命宣告された10日前とは明らかに変わっていたのである。そうなったのは、誰に言われるまでもなく自発的なものであった。


 我が子へ 其の十

 将来我が子と、酒やタバコをやるのが俺の夢だった。きっと叶う事はないけれど、もし生きていられたなら我が子と、酒を飲み交わしたいものだな。嫌がるかも知れないけど、父さんはその日を楽しみにしている。そこまでは俺の命が続いている事は多分無いけど。それでも良いんだ。そう言う事を想像出来るだけで、お腹一杯になれる。酒もタバコも好きにやれ、ただし二十歳になってからな。その位自分で管理出来る大人になれ。自立の第一歩は自己管理出来る事である。

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