三・真珠湾奇襲 上
その頃、ハワイ攻略を目指し
南雲機動部隊と陸軍揚陸艦はハワイ目掛けて航海していた
本日は運命の12月8日、機動部隊は真珠湾の北方360キロの地点に潜入していた
赤城、艦橋-
「長官、出撃準備が完了しました」
空母「赤城」飛行隊長、淵田美津雄中佐が
南雲中将へ報告した
さらにそこへ草鹿龍之介少将がやってきた
「最後の情報が入った。真珠湾に在泊の艦、下の如し。戦艦9、乙巡3、水上機母艦3、
駆逐艦17、空母及び甲巡は全部出動したり。艦隊に異常の空気を認めず」
「空母はいないのか?」
「山本長官によれば、本日中にかえると」
「うむ、そうか」
その後、草鹿参謀長が叫んだ
「よし!行け!」
バ…バババ…
航空機にエンジンがかかる
早朝、第1次攻撃隊の第1波が飛び立った
作戦参加機は零戦二一型、九七艦攻、九九艦爆である
赤城艦橋-
「長官」
「なんだ?赤城か」
赤城…名前どおり赤城の艦魂である
見た目は十代中頃、なお他の空母仲間と同じく大和などの戦艦グループとは
仲が悪い、彼女たち空母グループはこれからの戦いの決めては航空機だと
思っているが戦艦グループは大艦巨砲主義であった
「いよいよ、来ちゃったね」
「後戻りはできない、連合艦隊司令長官の言う通りにやれば
なんとかなるだろう」
「あとは、兵士達の戦いぶりです」
第一次攻撃隊1波-
「見ろ!軍艦旗だ!」
攻撃隊の一員が
朝日に指をさした
「おお!!」
「まるで我々の勝利を見守るかのようですな!」
<九七式艦攻 機内>
「オアフ島です!」
偵察員が雲の谷間から見えるオアフ島を発見した
すぐに他機へも報告された
淵田総隊長は命令した
「よーし突撃だ! 攻撃開始!」
隊長機はト連送(全軍突撃せよの略伝)を発信する
一方、連合艦隊旗艦「長門」-
赤城、艦橋-
「隊長機のトトトをを傍受しました」
「トトトがきましたか」
「うむ」
「いよいよだね」
「がんばってくれ、我が兵士」
一方、連合艦隊旗艦『長門』-
「長官、隊長機の突撃信号を直接傍受しました」
「長官」
「…本当であります…」
「やったぁぁ!!奇襲成功だぁ!!」
長門乗組員一同は
歓喜した、一方艦魂長門も山本長官へ語りかけた
「やりましたね、五十六」
生意気に五十六と呼ぶ長門
20代前半のお姉さんタイプだ
「よし、全地域で速やかに戦闘開始」
かくして太平洋戦争の火蓋は切って落とされた
一方、攻撃隊は-
「敵の迎撃機がありませんな」
「どういうことでしょう?」
「それにこのあたりは高射砲陣地のはずだが
まったく撃ってきませんな」
「これは…完璧に奇襲成功ですな」
「隊長!真珠湾です!」
「よし!攻撃開始!」
日本海軍、総力をあげての
「真珠湾攻撃」が始まった…
次回予告-
「いよいよ開戦ですね」
「でも航空機の性能が前世と比べてもあまり
大差ないみたいですが大丈夫なんですか?」
心配そうに語るのは赤城であった
彼女は機動部隊の航空機同士のみによる海戦が
これからの海戦だと思っている1人であった
「さあ?開発は行われていますが
配備は1942年になったららしい」
「ぶっちゃけていえば12月8日までに完全には
準備できてなかったのでは?」
「まあ今の飛行機のままでも来年までは
大丈夫でしょう」
「…」
次回は真珠湾を攻撃するシーンです
こんな小説ですがお楽しみください