12「新しいページ」
宿屋の部屋で私はひとり机に向かっていた。
―メデューサー
歴史:古代モンスター。100年ほど前に地球上にはびこっていた巨大目玉のモンスター。とある勇者の手によって封印されるが、後に何かのきっかけで封印が解かれる。
種類:相手の攻撃を受けて反撃して来る悪魔の化身
全長:10メートル
知性:やや高い
耐性:なし
弱点:聖なる光に弱い
特徴①:石化光線を出す
特徴②:瞬間移動をする
生息場所:地下神殿
倒し方:相手の攻撃を利用して戦う
「おおかたこんなものだろう」
戦術帳に新しいページが刻まれた。
これからの戦いもメデューサの時と同じように戦術帳に載っていないモンスターが現れる。
その度に新たな戦術を自分で組みあげなければならない。
それが策士としての仕事なのだ。
「この戦術帳を記した私の祖父も実際に敵と戦って戦術を組み上げて来た。それは容易なことではない。策士としての一生をかけて来てこの戦術帳を記述したのだろう」
祖父には頭が上がらない。
策士としての人生を全うし、過去から現代に至るまで役に立つ戦術帳を残した。
その功績は計り知れないだろう。
そして、私はその後を継ぐ。
これは運命ではなく、使命なのだ。
「ここ数週間でエリザとルーンの容体もだいぶ良くなって来たし、次の戦いの準備をそろそろはじめた方がいいな。次はどんなモンスターがいいだろう」
私は戦術帳のページを捲りながらベッドに体を預けた。
この戦術帳に載っているモンスターで強そうなのは死神と大蛇、そしてキマイラか……。
どのモンスターも今のレベルでは敵わない相手だ。
今度の戦いはエリザ達の復帰戦。
だから、肩慣らし程度の相手にする方が妥当だと思える。
「明日、ギルドへ行って依頼を探してみよう」
私は戦術帳を閉じると、静かに目を閉じ、そのまま深い眠りに落ちた。




