転移
ある日、とあるおとり捜査のために北海道まで来ていた。
今は、そのおとり捜査の時間の一時間前。
そんな時に何をしているのかと言うと、私は、女装をしていた。
何故女装をしているのかと言うと、今回の犯人は大層女性が好きらしく、そのおとりとして警察本部は、たとえ背後から襲われても対処できる人材がほしいらしいのだ。
生憎本部の人材は全てで払っており、唯一女性似の私に声がかかったわけだ。
その上、子供の時から声がほとんど変わらないというせいで、おとり役に適役な訳だ。
まぁ、今回のおとり捜査は、誘拐されて潜伏先を特定するおとり捜査なので、まぁそこまで身体能力は必要ではないのだが、念には念をだ。
そんな訳で犯人を待っていたのだが、私は少し異変を感じていた。
だんだんと周りの警察官たちの気配がなくなっていくのだ。
離れていくと言うよりも、 ふっ と言うようにだんだんと気配が消えていくのだ。
何故だ?というように思っていても決して口にしてはいけない。
なぜかと言うと、これはおとり捜査だ。
犯人に気ずかれては、おとり捜査にならないからだ。
そうして、仕方なく待っていると、部屋の外から何かが入ってくるような感じがした。
人ではない。
ちっ。
催眠ガスか!
すぐに催眠ガスだと気ずいた私は、すぐに口を塞ぎ、外にいる警官たちの気配を確認した。
誰もいないだと!
まぁいい。
私はすぐさま非常口のドアを開けた。
ドアを開けると外は真っ白で、普通は見えるはずの外の景色は見えなかった。
私は命を優先し、そのドアの外に走っていった。
そのドアの中に入った瞬間、私は気を失った。
目が覚めると、視界は青い空。
どうやら仰向けで気を失っていたらしい。
はっ。おとり!
さっきまでおとり捜査をやっていたことを思い出して、ぱっと起きると、そこは見たこともない場所だった。
ここは何処だ?
見渡すと、拾い草原にスライムのようなものが跳ねていたり、その先にはお城のような物と、お城の下の方には街のようなものが見えた。
その反対には、もう一つお城のようなものが見えた。
何処なんだここは。
何故こんなこんなところに居るんだ?
何も分からないまま待っていては埒が明かない。
仕方ない。歩くか。
私は歩いて城に行くことにした。
!っ
歩いていると、草むらに気配を感じた。
後ろに二人、前に三人。
強盗か?
まぁ警戒態勢を取っておいて損はないだろう。
そうして、一般人を演じて通ろうとすると、後ろに居た強盗が、いきなり襲ってきたのだった。
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